ことばの物語
〖日常の仏教語〗
娯楽 ごらく
(日常語)
心を癒し楽しむこと。またそのような物事。
(仏教)
『法華経』に「自ら娯楽して無量の安穏快楽
(あんのんけらく)を得べし」とあります。
この場合の「娯楽」は「悟りの楽しさ」、「快楽」
は「宗教的な満足感や楽しみ」ということであり
ます。
これが後に、仏教行事の後の慰労を「娯楽」とい
うようになったようです
そして日常語の娯楽の意味となったと。
非行 ひこう・ひぎょう
(日常語) よくないおこない。
※違法行為、あるいは違法行為ではなくても
習慣的規範に照らし合わせて反射的となる
行為。
(仏教)
「ひぎょう」と読み「理屈、道理に合わない」と
いう意味ですが、これは私たちの理解を超えたあ
らゆる計らいの仏の境地を指します。
念仏により救われる?
理解しようとするな。ただひたすら信じよ!
であります。
親鸞の『歎異抄』に次のようにあります。
<たとひし法然聖人にすかされ(だまされ)まいら
せて念仏して地獄に落ちたりともさらに後悔
すべからずさふらう>
これが信心の本質でありますが、危険性も含まれ
ていますね。
割愛 かつあい
(日常語) 惜しいと思うものを手放すこと。
※話の途中で「割愛させてもらいます」というと
単なる省略ではなく「惜しまれますが・残念です
が」という意味が含まれています。
(仏教)
「愛を割(さ)く」ということで、愛着の気持ちを断
ち切ることであります。主に、出家する際に肉親の
情を断ち切ることを意味していました。
一方「渇愛=かつあい」は「愛を渇望」で、強い欲
望、執着を意味し、苦しみを生み出す原因とされ
ます。
<仏教の説く三種の渇愛>
〇欲愛・・・五感の快楽、感覚的喜びへの渇愛。
〇有愛・・・存在したい、生き続けたいという欲望。
〇無有愛・・不快なものを除きたいという存在しな
い状態を求める。
【語源・故事諺の勉強】
素っ破抜く すっはぬく
秘密・醜聞・不祥事などを突き止め暴露すること。
「素っ破」は乱破(らっぱ)、突破(とっぱ)と同じよ
うに忍者のことであります。
「素っ破抜く」は「刀を抜く」意味であり、これか
ら付けられた名前であります。
それは忍者が危険を察知した際、刀を突然抜く動作
を指したものからでありました。
千里の馬 せんりのうま
<千里の馬は常に有れども
伯楽は常に有らずず>であります。
「千里の馬」は一日に千里も駆ける馬で、優れた
才能の持ち主にたとえられます。
「伯楽」は天上で馬の世話をする役目であった者
の名で、名馬を見抜く人のことを指します。
つまり、いかに才能があってもそれを認めてくれ
る人がいなければ、力を発揮できないということ
ですね。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房・井上義昌編
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ
ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・
一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫
心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/
親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経文庫
ニッポンの謎学/永岡書店
漢字の話し 上・下/藤堂明保著・朝日
