ことばの物語
〖日常の仏教語〗
会釈 えしゃく
(日常語) 軽く挨拶や礼をかわすこと。
また、その所作。
(仏教)
会釈はもともと仏教語で、仏典の一見矛盾すると
思われる教えを相互に照合して、それに含まれる
神意を明らかにすることであり、「和会(わえ)通釈」
の略であります。
「挨拶」も仏教の禅宗からで、門下の僧と押し問答
してその悟りの深浅を試すことからであります。
「挨」は「押す」、「拶」は「迫る」という意味であ
ります。
〖挨拶はときの氏神〗という言葉がありますが、
この場合の挨拶は「仲裁」と言う意味であります。
つまり、もめ事を仲裁してくれる人は氏神様のよう
に有難い存在であるということですね。
「挨拶」は禅問から言葉のやり取り、さらに人と人
の間を取り持つ仲裁の意味へと広がって行きました。
【語源・故事諺の勉強】
張本人 ちょうほんにん
悪事などを企む首謀者で、その事件を起こした原因
になった人。
「張本+人」からなり、「張本」は「物の表面を覆う
ように張り巡らすこと」で、後に「何かをするため
に前もって下地を作っておくこと」を意味するよう
になりました。
もとは「ちょうぼん」といい、明治以降に「ちょう
ほん」と言われるようになったそうです。
「張」の字は「弓+長(弦を長く伸ばす)」で、弓に
ゆるみなく弦を引き締めるという意からであります。
影を畏れ迹(あと)を悪(にく)む
自分で勝手に苦悩を造り上げ心の休まる時がないこ
とのたとえ。
自分の影におびえ、ついてくる自分の足跡を怖がる
ようなものだということですね。
『荘子』にあるお話し。
<自分の影におびえ、足跡から逃げ出そうと足を素
早く上下させる者がいた。日陰に入って休めば影
を消え、動かなければ足跡もつかないという思慮
がなかったために、力尽きで死んでしまったと。>
(新明解 故事ことわざ辞典/三省堂)
杞憂 きゆう
あれこれと無用な心配をすること。
取り越し苦労。
『列子』にあるお話し。
<中国西周時代に杞という小さな国がありました。
そこのある男が「典が崩れて落ちてきたらどうし
よう。地が崩れて自分は落ちてしまうのではない
か」と、夜も眠れず、食も喉を通らないように心
配していました。それを見かねた人が、そんなこ
とはないと話して聞かせました。そうすると、そ
の男はやっと安心してともに喜んだと。>
「杞の人の憂い」というお話しからであります。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房・井上義昌編
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ
ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・
一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫
心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/
親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経文庫
ニッポンの謎学/永岡書店
漢字の話し 上・下/藤堂明保著・朝日
