ことばの物語
〖仏教語〗
化身 けしん
(日常語) 日本では神や精霊、神格化された空想の
生物が人の姿、動植物の姿にーとして現れたものを
指します。
この言葉は仏教からで、仏が衆生を済度するために
様々な形で出現する際の姿を指したものであります。
※済度は「済(救う)+度(彼岸へ導く)」ということで、
衆生を苦海から救い悟りの境地・涅槃の彼岸へ導
くと言うことであります。
四弘誓願 しぐせいがん
菩薩が発する四つの誓願であります。
・衆生無辺誓願度
多くの衆生を済度すること。
・煩悩無量誓願度
計り知れない煩悩を滅すること。
・法門無尽誓願知
尽きることのない膨大な法の教えを学び取る。
・仏道無上誓願成
無上の悟りに達すること。
【語源・故事諺の勉強】
百果の宗 ひゃつかのそう
「宗」は「宗家」などと同じ「おもだったもの・
かしら・中心人物」という意味で、百果の宗とは
果実の王ということと同じでありますね。
その果実は「梨」のことであります。
百野獣の王が獅子(ライオン)、百花の王が牡丹。
そして百果の宗(王)が梨ということですね。
「ナシ」は「無し」に通じるとして忌みされ、
「有の実」と言う別称があります。
他の忌み言葉
葦(あし)→よし・スルメ→アタリメ
すり鉢→あたり鉢・亀梨→亀有(地名)
和訓の「なし」は「中白=なかしろ」からで、
果肉が真っ白だったところからだそうです。
梨はバラ科の樹木で、日本梨は原始の頃(縄文・
弥生)から自生していたようです。
「梨」の字の成り立ちは「木+利(稲+刀)でよく切
れる」で、さくさくと歯切れ良くきれる果実。
梨花の雨
・美人の思い悩み悲しむ姿
・寂しく静かなさまをたとえたもの
由来は、唐の詩人・白居易(はっきょい)の玄宗皇帝と
楊貴妃の悲恋を書いた長歌『長恨歌』の一節からで
あります。
玄宗皇帝の使者が仙境で「太真」と名を変えた楊貴
妃に会いに行きます。その場面が
玉容寂寞として泪闌干
梨花一枝春雨を帯ぶ
※闌干は古語で「涕が盛んに流れ出る様」
その涙を流す楊貴妃の姿を春雨に濡れる
梨の花にたとえたものであります。
梨園 りえん
歌舞伎界のことを指します。
由来は唐の玄宗皇帝が宮廷の梨が多く植えられた
庭園で音楽や演劇を自ら教授した故事からであり
ます。
この故事から江戸時代の漢学者が演劇界を梨園と
呼んだのが始まりですか、明治以降に歌舞伎界に
限定して用いるようになりました。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房・井上義昌編
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ
ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・
一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫
心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/
親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経文庫
ニッポンの謎学/永岡書店
漢字の話し 上・下/藤堂明保著・朝日
