ことばの物語
〖ことばの物語〗
因業 いんごう
(日常語)
Ⅰ.頑固で思いやりのないこと。
2.宿命的な不幸。
「因業爺」というと1の意味で、「因業なこと」と
言うと2の意味ですね。
因業は前世の悪業が原因で招いた性格や運命のこと
ということであります。
司馬遷が『史記』で「極悪人が天寿を全うし、善人
が餓死する矛盾」を「天道は是か非か」と空しい思
い宣べていますが、この解決策を仏教は「前世の業」
という解決策を持ち出したようですね。
(仏教)
「因業」はサンスクリット語の「ヘートゥ・カルマン」
の漢語訳で、「因」は結果をもたらす直接原因で「業」
は結果をもたらす条件としての行為のことであります。
全ての原因は「我(おのれ)」であり、その我の身・口・
意の働きが「業」であり、これにより結果をもたらす
ということのようですね。その我への執着を離れろと
「無我」の境地が説かれます。
これらから「悪業悪果」「善業善果」というようにな
り、「悪い事すると地獄に落ちる」と来世がもちださ
れて来たんですね。
一念 いちねん
(日常語)・ひたすら心に深く思いこむこと。
・ふと思うこと。
「一念発起」と言うとあることを成し遂げようと
固く決心し行動をすることで、「一念岩をも通す」と
言うと岩のように堅く大きな障害があっても、必死
になって取り組めば、その壁を乗り越えることが出
来ることで、これには故事があります。
<前漢の韓嬰の著『韓詩外伝』から。
楚国の熊渠子が夜道を通っている時、横たわる石
を伏せている虎と思い込み矢を射ると、その矢が
深く石に突き刺さっていたと。>
(仏教)
仏教では二つの意味があります。
・一瞬の心の動で、刹那(極めて短い時間)を表します。
・強い決意や念じる心で、浄土系の仏教では一度の
念仏で極楽に往生できるという「一念往生」を説
きます。
【語源・成句の勉強】
へなちょこ
取るに足りない未熟者をあざけって言う言葉。
腰砕けの「へなへな」と、せわしく走る「ちょこ
ちょこ」を合わせたものであります。
漢字で「埴猪口」と書きますが、これは当て字で
あります。
当て字と言っても、それなりの意味があるようです。
「埴=埴土(へなつち)」で埴輪のように素焼きの器で
であります。素焼きの御猪口に酒を入れると、水気
が吸い取られ役に立たないという意味からだそうです。
この言葉は新しく明治時代に生まれたと。
そういえば、自分で「へなちょこ」とおどけて言って
いて、セクハラ・パワハラで姿を消した芸能人がいま
したね。
非驢(ろ)非馬
「驢(ろ)に非ず馬(ば)に非ず」、驢馬でもなく馬でも
ない似て非なるものということで、主体性のないもを
言います。
中国のパクリのキャラクターみたいですね。
「これドラエモン?」「これミッキー?」と笑いもの
でありましたね。
<中国の「漢書ー西域伝」に次のような話があると。
中国の西域にあった亀茲国の王は長安に滞在した後、
長安の宮廷のマナーや服装、音楽を真似たところ、
西域の人々はその真似事に主体性がないと言って、
笑ったと。>
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房・井上義昌編
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ
ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・
一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫
心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/
親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経文庫
ニッポンの謎学/永岡書店
漢字の話し 上・下/藤堂明保著・朝日
