ことばの物語
〖日常の仏教語〗
降伏 こうふく
(日常語) 戦いや争いに負けたことを認め、相手
に従うこと。
仏教では「ごうぶく」と言い「降し伏せる」、何を?
悪魔や敵を神仏の力や法力によって、防ぎおさえ
ることを意味します。
また、修行を妨げとなる悪鬼の類を降(くだ)し伏す
ことをいいます。
お釈迦様の降悪成道のお話があります。
<お釈迦様が菩提種の下で、悟りを得るために
瞑想(禅定)に入ったのを見た悪魔(マーラ)は誘
惑を仕掛けて邪魔をします。
「悟れるはずなどはない。早々に国へ
帰って王位を継いだらどうだ」といい、
娘たちを送り誘惑させたり、猛獣をけ
しかけ脅したりします。
お釈迦様は、これらをはねのけ成道(覚者と
成る)します。>
この時、お釈迦様は慈悲心を持って、悪魔を徹底
的に壊滅することはしませんでした。そして悪魔は
お釈迦様に帰依することとなりました。
※このように打ち負かした相手には、慈悲をもって
欲しいですね。幸いなことに、日本人には相手の
立場になって考えるという教育があります。
欧米においては、それは自分の弱みになると考
えるようですね。どこかの大統領は嘘をついてま
で自己主張しますからね。もはや信じるに足らず
であります。
遊戯 ゆうぎ
(日常語) 遊びたわむれること。遊びごと。
遊びをsせんとや生まれけむ
戯れせんとや生まれけん
遊ぶ子供の声きけば
我が身さえこ動がぐれ
(梁塵秘抄)
仏教では「ゆげ」と読み、菩薩が自由自在に活動
することを言ったものだそうです。
<問う「観世音菩薩はこの娑婆繊維にどのよう
にして自由自在に活動し、衆生を教化するので
しょうか」
答で曰く「観世音菩薩は種々の形を持って諸国
に遊戯し、衆生を済度される」>
※遊戯三昧(ゆげざんまい)というと、仏の境地に
遊んで、なにものにもとらわれないことであり、
これには人生を達観して苦楽ともに遊びのよう
に楽しみなさいとの教えがあります。
諦め あきらめ
(日常語) 断念すること。
仏教で「諦め」は「明らかにする」ということで、
物事の本質を見極めて現実を受け入れ、執着を
捨てることが悟りの道とされます。
「人を誹謗せざれ また是非をざせれ
ただ身行を観よ 正不正を諦観せよ(明らかに
見よ)」 (増阿含経)
油断 ゆだん
(日常語) 気を緩めること。と注意を怠ること。
仏教語でも同じ意味ですが、語源の由来は仏典
『大般涅槃経(だいはつねはんきょう)』の次の話しか
らであります。
<「油を断つ」? これは「油をこぼすと命を断つ」
というお話しからであります。
イントのある王が家臣に油の入った鉢を持たせ、
「一滴でもこぼしたら命を断つ」といって歩かせ
ます。家臣は必死になって、一瞬も気を抜くこ
となく一滴もこぼすことなく歩き切ったと。>
もう一説あって、こちらは「油を断つ」という話で
あります。
比叡山延暦寺の根本中堂の中に「不滅の法灯」
という千二百年間途絶えたことのない灯明があ
りますと。僧侶たちが千二百年も油を足し続けて
いると言われています。
これんら生まれた言葉が「油断大敵」であります。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房・井上義昌編
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ
ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・
一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫
心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/
親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経文庫
ニッポンの謎学/永岡書店
漢字の話し 上・下/藤堂明保著・朝日選書
