ことばの物語
〖酒〗さけ
酒にまつわる話し
中国最初の王朝・夏(カ)王朝(伝説とされる)の始祖
とさける禹(ウ)は伝説の帝・舜(シュン)帝に黄河の
治水を命じられます。それ以来禹は一度も家に帰
ることなく治水工事に励み成功しますが、半身不随
(=偏枯・へんこ)となってしまいます。そして足を引き
ずり飛び跳ねるような歩き方になります。これを禹
歩というそうです。
※〖禹歩〗は道教や民間信仰でこの歩き方は
雨を降らしたり岩を動かすことが出来ると信じら
れ、巫者たちが儀式で行ったと。
ところで〖酒〗のお話ですが、この禹の身体を癒
そうと儀狄(ぎてき)という者が馥郁たる飲み物を(酒)
を捧げます。これを飲んだ禹は身体が癒され、その
美味しさに感動しますが、これはこの先、国を滅ぼ
しかねない飲み物となるであろうととして酒つくり
を禁止しました。
※儀狄は桑の葉に包んでいた米が発行して酒に
なっていたのを発見します。これは美味しくて疲
れを癒す飲み物でったのでありました。
禹が預言したとおり夏王朝の最後の王・桀は酒色
に溺れ、酒池肉林の乱行の末滅びてしまいます。
これを征服した次の王朝・殷(いん)も紂王の時に
同じような乱行で、周に滅ぼされます。
周王朝では桀紂の末路に鑑み「酒誥」という禁酒
令が公布され、祭祀の時にだけ飲酒が許される
ようになります。
「酒ーさけ」の和訓の語源は古語の「汁(しる)+
食(け)」が転じたものだそうです。(他説あり)
※古くは「ケ」というと「食物」を意味していました。
日本神話の食物神トヨウケの命の名の中の
「ケ=食」の意味ですね。伊勢神宮外宮に祀ら
れ内宮の天照大神の食を司っています。
農業・漁業の守護神でもあります。
漢字の成り立ちは「水+酉(酒壺)」からなりま
す。
竹葉ーちくは(ちくよう)
酒の異名。
≪語源の由来≫
中国の漢の時代、劉石という者がいました。
その継母は実子にはご馳走を食べさせ、残り
物を劉石に与えていました。劉石はそんな残
飯を食べずに、いつも家の近くの木の股に捨
てて、竹の葉をかぶせて隠していました。
そこへ雨が降って来てしばらくするとよい香り
のする美味しい水(酒)に変わっていたと。
劉石はこの飲み物を造り、おうそ様に献上し
ます。その後、これにより劉石は大富豪にな
ったと。
肴ーさかな・コウ・ギョウ
これは「酒の肴」、酒を飲むときの副食物ですね。
漢字の成り立ちは「爻(こうさする)+月(にくづき・
肉)」で、料理をした肉を俎豆の上に並べたもの。
※j俎豆は祭祀用の器で、豆(たかつき)に俎板
をのせたもの。転じて祭り上げることを意味
するようになります。
和訓の「さかな」の語源は「酒菜」からであります
が、「魚=サカナ」の呼び名の語源でもあります。
魚は本来の呼び名は「ウオ(イオの転)」でありま
す。これは奈良時代から室町時代にかけて、
酒の添え物として魚が多く使われるようになり、
魚類全般を「サカナ」と言うようになったと。
〖酒飲み〗
〇左党・左利き
江戸時代、大工や鉱夫が槌を右手に持ち、のみ
を左手に持つところから、左手を「のみ手」と称
するようになります。これを「のみ→飲み」に掛け
たところから。
〇上戸ーじょうこ
酒飲みを人を上戸、酒に弱い人を下戸といいます
が、この言葉は平安時代にもあったと。
この由来は大宝律令で、賦役に服する義務のあ
る成年男子(家族とは限りません)を6~8人持つ
家を上戸、4~5人の家を中戸、3人以下を下
戸と区別されました。(貧富による区別)
婚礼において、上戸は酒八瓶、下戸は酒二瓶と
決められていて、上戸はたくさん飲めるというこ
とからだそうです。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社) d)4?d@)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ
ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・
一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫
心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/
親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経文庫
ニッポンの謎学/永岡書店
本当は怖い日本のしきたり/彩図社
