ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖馬〗
うま
「馬」は、中央アジア、中東などで家畜として飼い始め
られました。
氷河期の大陸と地続きであった日本にも、馬がいたそ
うですが、草原が減少したために馬は絶滅したそうで
す。その後、古墳時代に朝鮮半島から軍用として馬
の輸入が始まったと。
馬は荷役、農耕、乗馬、軍用、競争馬として使われて
いました。原動力のスターだったんですね。
馬は毛の色の違いによって、次のように呼ばれます。
(一部紹介)
・栗毛(くりげ)~黄褐色(栗の色)
・鹿毛(かげ)~茶褐色(鹿の色)
・青毛(あおげ)~濃い青みがかった黒色。
・芦毛(あしげ)~灰色
・白毛(しろげ)~全身白い毛とピンクの肌。
〖馬頭観音〗ばとうかんのん
ヒンドゥー教のハヤグーヴァ(馬の首という意)という
ヴィシュヌ神の化身とされ、仏教に取り入れられ六
観音の一つとなります。
※【六観音】聖観音・千手観音・馬頭観音・十一面観音・
不空羂観音・如意輪観音
馬頭観音は馬が草を貪り食らうように、衆生の無智・
煩悩を食い尽くし、諸悪を破壊します。
他の観音様の穏やかな顔と違って、牙をむき憤怒の
相をしています。
〖絵馬の由来〗
古くは神々は馬に乗って現れるとされていました。
つまり、神輿(神の乗り物)が登場するまでは、神座
の移動には馬が必要とされ、崇神天皇の代より神事
に馬を献上する風習が始まりました。
馬を奉納できない者は、木や紙、土で作った像を馬
の代用とするようになり、奈良時代には板に描いた
馬を奉納するようになっていきます。
家内安全、商売繁盛といった現世利益の願いを、絵
馬に書くようになったのは江戸事時代頃からだそうで
す。
〖はなむけ〗
旅立ちや門出を祝って、贈る言葉や金品のことですが、
由来は旅先に「馬の鼻先を向ける」ことからでありま
す。それは、遠方へ旅立つ人の安全を願って、道中の
無事を祈願することでありました。(金品を贈ることは
なかったようです。)
「はなむけ」の漢字には二つあります。
「餞」・・・餞別の「餞」ですね。
字の成り立ちは「食+戔(少ない)」で、ささやかな
贈り物という意味であります。静かに送り出すん
ですね。
「贐」・・・字の成り立ちは「貝(財貨)+盡(つくす)」で、
盛大に宴などを開いて送り出すということでありま
す。
〖ペガサス〗
ギリシア神話に出てくる翼のある馬でありますね。
ペガサスはか海神ポセイドンと蛇の髪を持つメドゥー
サの間の子であります。
メドゥーサはもともと美しい女でありましたが、アテナの
神殿で、ポセイドンと交わったため、アテナの怒りを買
い醜い怪物にされてしまいました。
ペルセウスが、ポセイドンの子を宿してるメドゥーサの
首を刎ね、退治します。その首から滴る血が地に落
ちてペガサスは生まれます。
ペガサスは『霊感の象徴』で、この紋章は「教養」、
「名声」を表しています。
ちなみに、大きな波が馬の姿をしている絵を目にする
と思うのですが、これは海神ポセイドンの子であると
ころからであります。
駿馬(しゅんめ)~優れた馬。足の速い馬。
駑馬(どば)~足ののろい馬。才能の劣る人の喩。
駄馬(だば)~荷物を運ぶ馬。
奔馬(ほんば)~勢い良く走る馬。
勢いの激しいことのたとえ。
≪仏教語≫
〖袈裟〗
けさ
僧侶が身に付ける法衣。
袈裟の語源は梵語の「カーシャーヤ」の漢音訳で、
「壊色・混濁色」という意味であります。これは、糞掃
衣ともいわれ、捨てられた衣の切れ端や遺体が身に
付けていたボロボロの衣を継ぎ合わせて作られたも
のであります。
現在の袈裟は金襴の豪華なものですが、申し訳な
ないと思ったのか、何枚かの衣を合わせて縫われて
います。
糞掃衣には大きな教えがあれます。それは、所有欲
から離れるという意味を持っていました。
僧侶は三枚の衣と托鉢の鉢、つまり三衣一鉢が所
有物とされていました。
今日では高位であるにしたがって、豪華な袈裟になり
高級車に乗っているようで、真逆ですね。
偉くなるに従って、欲を削ぎ落とし、質素になるべきで
しょうね。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ
