ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖鶏〗
にわとしり
漢音の「ケイ」は鳴き声からだそうです。
和訓の古語「カケ」も鳴き声からだそうです。
動物の鳴き声は文化によって、聞こえ方が異なる
ようですね。
日本では「コケコッコ」・中国では「コッココ~」
英語では「クックドウルドウ」
犬は、日本では「ワンワン」・中国では「ウーウー」
英語では「バウバウ」
猫は、日本では「ニャオ」・中国では「ミャオ」
英語では「ミュー」
外国語を覚えるのが難しいのは、発音だけでなく
子のように聞こえ方の違いもあるようですね。
例えば「ⅬとR」は日本人にはよく似ているように
聞こえますが、英語圏の人には全く違った音に
聞こえるんでしょうね。
鶏は日本では弥生時代にすでに飼われていたよ
うであります。
雄鶏は時を告げる霊鳥とされていました。
神社の「鳥居」の語源に次のような話があります。
<天照大神が天岩戸に隠れた時、表に出ていただ
くために、神前に止まり木を置いて、鶏(常世の長
鳴鳥)をそれにとまらせ鳴かせたといいます。これ
によるものだそうです。>
不動明王を祀る寺院では、酉年の守り本尊である
ため鶏の像が安置されるところがあるそうです。
古代中国では鶏に五徳があるとされていました。
[文] 頭に冠を戴くところから。(鶏冠)
[武] 足に蹴爪をもつところから。
[勇] 敵と戦う。(闘鶏)
[仁] 食べ物を見つけると叫びあうところから。
[信] 夜を守り、時を失わないところから。
闘鶏の起源は古く、もとは吉凶を占うものであ
りました。これが娯楽として盛んになるのは唐時
代であったいいます。
鶏には霊力があるとされ、除夜に門戸にかけて
邪気を祓う風習があったと。また、漢音の「鶏」が
「吉」に通じ、吉祥のシンボルとされています。
【鶏の入った成句】(一部)
○一鶏鳴けば万鶏歌う
一人の意見につられて、多くの者が軽々しく同調
しその意見が広まっていくということ。
○家鶏(かけい)を賤しみて野雉(やち)を愛す
古いものを嫌い珍しく新しいものを好むこと。
○鶏は三歩あるくと忘れる
すぐに物忘れをすること。(よく忘れる人を茶化した
言葉)
○牝鶏晨(あした)す
女性が勢力をふるうことのたとえ。
朝の時を告げて鳴くのは、雄鶏なのにそれを
さしおいて雌鶏が先に時を告げるということから。
(古くは雌鶏が時を告げるのは不吉な事とされて
いました)
≪仏教語≫
〖一水四見〗
いっすいしけん
同じものでも見る立場、心の持ち方によって異な
って見えるということで、我々の見る世界は五種の
感覚(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)と意識・潜在意
に相当する末那識・阿頼耶識からなっているとする
もので、逆に言うと「心の持ちようで世界は変わる」
ということでもありますね。
人にとって河の水は
天人にとっては歩くことができる水晶の床
魚にとっては己の住処
餓鬼にとっては炎の燃え上がる膿の流れ
唯識思想で述べられているものであります。
奈良の興福寺(藤原氏の氏寺)はこれを研究する
法相宗の総本山であります。
絶世の美女でも、その姿を見た魚は逃げて
しまう。
夜目遠目笠の内
幽霊の正体見たり枯れ尾花
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
