ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖管見〗
かんけん
「管(竹筒)を通して見る」ということで、
①見識が浅いこと。あることについて視野が狭いこと。
②自分の知識や見解、意見をへりくだっていう。
<『荘子ー秋水』にあるお話しから。
こじつけめいた論理をもてあそぶことで知られる
名家(諸子百家の一派)の学者・公孫竜を批判して
「そんな議論はただ管をもって天を覗き、針で大
地を指すようなもので、何とも見識が小さいこと
であろうか」といったと。>
というところで、どんな論理を公孫竜は打ち立てたのか。
その論理を二つほど。
「白馬非馬説」
白とは色の概念であり、馬とは動物の概念である
から、この二つが結びついた白馬という概念は、馬
の概念と異なる。(白馬は馬でないなんてね?)
「堅白論」
白くて固い石はで触っている時は白ということは
分からず、目で見ている時は固いということはわか
らない。よって、白という概念と固いという概念は
両立しない。
奇妙な理屈ですね。しかも群雄割拠する春秋戦国
時代に、こんな思想の一派(名家)が。
ほとんど注目されることなく、姿を消したようですよ。
≪仏教語≫
〖定命〗
じょうみょう(呉音)
仏教でいうところの「寿命」のことであります。
それは、前世の因果で個々に定められているという
ことからであります。
災難に逢う時節は災難に逢うがよろしく候
死ぬる時節には死ぬるがよろしく候
(良寛)
起きてしまったことは悲観してもどうにもなりませんね。
どうにもならないことは、運命として諦めて(明らかにして)、
心を落ち着かせ受け容れなさいということですね。
〖運命〗
ギリシア神話ではモイラ(運命の女神)といわれれます。
「モイラ」は「割り当て」の意味を持ちます。
複数形はモイライといわれ、三人の姉妹から成ります。
運命の糸をつむぐのはクロートー(紡ぐ者)、その長さを
計るものはラケシス(長さを計る者)、そして最後にこの
割り当てを鋏で切るのがアトロポス(不可避のもの)で
あります。こうして、人のそれぞれの命は決まるといわ
れます。「運命」は「命を運ぶこと」でもありますね。
ちなみに、モイラは夜の女神・ニクスの娘たちであり
ます。よくできていますね。
≪漢字の勉強≫
管ーくだ・カン
字の成り立ちは「竹」に「官=貫に通じ、つらぬく」で、
竹のくだ、ふえの意味。
見ーみる・ケン・ゲン
字の成り立ちは「目」に「儿=人」で、目立つ物を人が
目にとめること。
また、みえる意味からあらわれるの意味をも表す。
〖別説〗
大きな目玉の人の意味から、ものを明らかに見る
意味を表す。
※甲骨文字を見ると、まさしくゲゲゲの鬼太郎の目玉
親父のスタイルですね。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
