ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖喉仏〗
のどぼとけ
医学的には咽頭隆起といわれ、喉の正面の突起は
甲状軟骨といわれるもので、火葬で「これが喉仏」と
わたされ骨壺に収納しますが、これは軟骨であるの
で火葬により焼失してしまいます。それなら渡された
ものは一体なに?
それは、咽頭隆起のある位置とは全く関係ない所
の脊髄の一部だそうです。
「喉仏」と何故言われるかというと、一説に坐禅をし
て仏様の姿に見えるからというのがありますが、
まったくその姿には見えませんね。
中世の頃までは「結喉」といわれていて、「喉仏」と
呼ばれるようになったのは近世以降だそうです。
英語では「Adam`s Apple=アダムのリンコ」と呼
ばれます。
<アダムとイヴは楽園のエデンの園に暮らしていま
した。神は言います「この園の真ん中にある善悪を
知る木実は決して食べてはならない。食べると死ん
でしまうから」と。だがしかし、イヴは蛇に「死ぬこと
なんてあるもんか」とそそのかされて、禁断の木の
実のリンゴを食べ、アダムにも食べさせます。そこ
へ天子がやって来たのに驚いて、アダムは喉に
林檎の実を詰まらせてしまいました。・・・・・
二人は神の怒りをかい、楽園を追放されてしまい
ます。・・・・・>
ちなみに、旧約聖書には「リンゴの木」という言葉は
なく、また、何の木かなどはなく「善悪の木」とある
だけです。
この「善悪」の「悪」はラテン語て「malus」と書かれ、
リンゴが「mãlus」。どうです、よく似てますね。
そう、英語に翻訳の際、この誤読により「リンゴの
木実」となったんですね。
これに対し、これは「イチジクの実」ではないかとする
説があります。それは、アダムとイヴが陰部をイチジ
クの葉で隠したという所からであります。
いずれにしても、天の楽園の「善悪の木の実」とあり
ますから、この地上には無いものですね。
≪仏教語≫
〖どっこいしょ〗
力を入れる時や重い物を持ち上げる時などに
「どっこいしょ」と声を掛けますね。また、年いくと、立
上がる時も、大儀(めんどくさい)でつい出てしまい
ます。
これは修験者が修行で山を登る時に「どっこいしょ」
と自分に言い聞かせた「六根清浄」という言葉がつ
まったものようです。唱えながら山を登りますから、
しんどかったんでしょうね。
六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)は人間の物事を認識する
根幹で、これが我欲などに執着して曇ると、正しい道
を往くことかかなわなくなります。その為、それを清め
るということでありますね。
※「どっこいしょ」には別説があり、これは相撲や歌
舞伎で力を入れる時の掛け声「どっこい」からとし
ています。
≪漢字の勉強≫
檎ーりんご(林檎)・キン
日本では「林檎」と表記します。
字の成り立ちは「木」に「禽=禽獣(鳥類)」。
「禽」は「柄の長い網」に「今=蓋をかぶせてふせぐ」
で、後に下部に「禸=動物の尻」を加えたもの。
動物を網で押さえ、逃げられないようにふさぎとめ
ることを表しています。
(補)
「もとは来檎といい、甘くて熟した禽を来さす果実」
というところから作られた字であります。
和訓の「りんご」は呉音の「リンゴム=林檎」が平安
時代に入って来た時、りんごう→りんこうとなってりん
ごになったと。
無花果ーいちじく・ムカカ
西アジア原産で、唐時代に中国に伝来します。
その時にペルシア語の「アンジール」の漢音訳が
「映日実」だそうです。
宋時代に花がないのに果実ができると考えられ、
無花果という名が生まれたそうです。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
