ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖曲水宴〗
きょくすいえん
宮中や貴族社会で三月三日(上巳ーじょうし)で行わ
れた宴(年中行事)で、庭園に造った曲水の流れの淵
に各々が座して、流れてきた杯が自分の前を通り過
ぎる前に詩歌を詠み、それを別堂で披露するという
優雅な遊びでありました。(曲水流觴ともいう)
これは、紀元前から中国で行われていたといわれ、
とくに有名なのが、東晋王朝時代に
が「蘭亭」という所で行われた曲水宴であります。
詩聖といわれる王義之が、酔ってこの時の作品集に
序文を書いた「蘭亭序」は、その後の書家の模範と
とされました。
この書の真筆は、王義之を愛好した唐の太宗が自分
の葬儀の時に一緒に埋葬させました。
現在残る書跡は、全て模筆によるものであります。
※・埋葬された王義之の書は、真行(楷書と行書) 290紙
草書2000紙。(三書体・・・楷書・行書・草書)
・「上巳」は五節句の一つ。
[五節句]
(漢名) (和名)
人日(じんじつ)・・・・1月7日・・・七草粥
上巳(じょうし)・・・・・3月3日・・・桃の節句
端午(たんご)・・・・・5月5日・・・菖蒲の節句
七夕(しちせき)・・・・7月7日・・・たなばた
重陽(ちょうよう)・・・9月9日・・・菊の節句
≪仏教語≫
〖愚痴〗
ぐち
♪愚痴はよそうで体に悪い・・・♪
なんて歌がありましたが、その通りですね。
勝手に解釈すると愚痴は「愚かな知の病」。
自分から持ち出した病ですね。
我が強いと自分の思い通りにならず、愚痴の病に
罹ってしまうんですね。
野球選手の王貞治さんの座右の銘が
俺が俺がの我を捨てて
おか下おか下の下で暮らせ
というのを聞いたことがあります。
仏教では「愚痴」は真理に暗く無知なことを言いますが
これは、煩悩に振り回された愚かなる状態で、物事を
正しくとらえられないということですね。
「愚痴」は貪欲・瞋恚(しんに・怒り)と合わせて、根本煩悩
ととされるもので、三毒といわれます。
この語源はサンスクリット語の「モーハ」の意訳で、
音訳が莫迦(バカ=モハ)であり、のちに「馬鹿」と表記さ
れますが、この語源らしき逸話もおもしろいですよ。
≪漢字の勉強≫
宴ーうたげ・さかもり・エン
「宀=屋内」に「妟=日+女=日が沈んで静かにする」で、
屋内にあっていこう、やすらかの意。
安・妟・按と同源。
和訓の「うたげ」の語源は「打ち上げ」、または「歌い
上げ」からだそうです。
愚ーおろか・グウ・グ
「禺=猿に似たナマケモノの類」に「心」で、心の働き
が不活発でにぶい、おろかの意味。
和訓の「おろか」は「疎(おろそ)か(不十分)」から。
痴ーおろか・チ
元の字は「癡」。
「疒=やまい」に「疑=じっと立ち止まってためらう」で、
物事にうまく対応できない病気、おろかの意味。
「痴」は俗字であったもの。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
