ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖強弩〗
きょうど
「弩=いしゆみ・おおゆみ」と言われるもので、機械
仕掛けの大型のボーガンのスタイルをしています。
木製の台座の上に大きな弓みを仕掛け、引き金に
よって矢ゆや石を発射するものであります。
これは中国戦国時代に使われていたようです。
漢字の成り立ちは「奴=しなやかで弾力がある意」に
「弓」で、バネ仕掛けの石弓。(石を飛ばすもの)
強弩の末(すえ)
初めは強かったものが、衰えて力を失うことのたとえ。
<『漢書ー韓安国伝』にあるお話し。
前漢の時代、北方の異民族に遠征軍を送るべきが
議論になった時、大臣の韓安国は、
「強力な石弓から放たれた矢も、勢いが尽きる処には
魯国の名産品の薄い絹を突き破ることもできない」
と遠くまで行軍して戦うことの不利を説きました。
この結果、遠征は取りやめになりました。>
司馬遷の〖史記〗には別の意味で、同じような言葉
がつかわれています。
強弩の極(まつ)魯縞を穿つ能(あた)わず
衝風末、力は鴻毛を漂わす能わず
(強い弓から放たれた矢も、末は力尽き、薄絹も貫く
ことはできない。暴風も衰えて力が弱まると、軽い
羽毛さえもただよわすことはできない。)
これは、強いものも、やがては衰えて力が尽き、何も
できなくなることのたとえで、英雄や強国の末路を
言ったものであります。
≪仏教語≫
〖覚悟〗
かくご
日常では「覚悟しろ」とか「覚悟の上」などとして使われ
ますが、「覚悟」とは危険なこと、不利なこと、困難などを
予測して、それを受け止める心構えの意味であり、また、
きたるべきつらい事態を超えなければならないものとし
て諦めることの意味であります。
もとば仏教語で「迷いを去り真理を悟ること」を意味しま
した。
「覚」は悟りの智慧で、「悟」は迷いが解けたことを表す
とある本に書かれていました。
≪漢字の勉強≫
覚ーおぼえる・さめる・カク
旧字は「覺」。
上の字は「両手+×=交差するさま+宀(家)」で、片
方が教えた方が受け取るという交差が行われる家。
それに「見」で、見聞きした刺激が一点に交わってまとま
り、はっきりと知覚されること。
悟ーさとる・ゴ
「心」に「吾=×型に交差してかたりあう」で、神経が
分散せずはっきりと思い当たること。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
