ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖能書〗
のうしょ
「能書」というと、文字を巧みに書くこと。またその人。
=能筆・善書
字が下手なことを「悪筆」といいますね。ただ、注意し
しなければならないことは、善書⇔悪書ではないとい
うことですね。「悪書」は内容が俗悪で有害な本のこ
とですね。
「能書は筆を択ばず」という言葉があります。
これは、書に優れた人は、筆の善し悪しは問題にし
ないということで、下手な者が材料や道具について
やかましく言うことを戒めたものであります。
(それにしては数十万という筆、プロ仕様では?)
能書は筆墨を選ばす
能書は紙筆を選ばす ともいいます。
逆にいうと、書にとって筆、墨、紙は重要なものって
ことですよね。(天邪鬼ヘッヘッー・・・)
<『新唐書』にあるお話し。
初唐を代表する書家に欧陽詢、虞世南、褚遂良
(三筆)がいます。
ある時、最年少の褚遂良(ちょすいりょう)が虞世南
に欧陽詢(おうようじゅん)の書と自分の書との優劣
を尋ねます。虞世南は応えるます「欧は紙や筆の
善し悪しに関係なく思う通りに書けるそうだ。紙筆
にこだわる君はとても及ばないね」と。
(類語) 弘法筆を選ばす・良工は材を選ばず>
日本の三筆というと、平安初期の空海(弘法大使)・
嵯峨天皇・橘逸勢(たちばなのしはやなり)をいいますが
それぞれの時代、し流派に三筆が挙げられています。
≪仏教語≫
〖達者〗
たっしゃ
『広辞苑』によると「達者」は
①物事に熟達していること。また、その者。
②物事をするのに早くて上手なこと。
③抜け目のないこと。
④からだの丈夫なこと。
⑤歩くことにすぐれていること。
とありますが、
これも仏教語からで「仏教の深い境地に達した者」
ということであります。→悟りを開いた人
≪漢字の勉強≫
筆ーふで・ヒツ
「竹」に「聿=手で筆を垂直に持った形」で、竹の軸の
ふでの意味。(異字体)→笔
(補)「常用字解」白川静著/平凡社
筆を作ることは秦代の蒙恬に始まるという説があるが、
甲骨文字には手墨で書いた筆跡があり、金文も初めに
筆で書いた字を鋳型にしたものであろう。
文字が作られた古い時代から、筆記具はすでにあり、
筆の形式のものがあったものと思われる。
竹簡・木簡に字をしるすための筆と、字の誤りを削り去
るときに用いた小刀とを合わせて刀筆といい、文字を書
きしるすことだけを仕事とする小役人を、刀筆の吏という。
紙ーかみ・シ
「糸」に「氏=潰された目の象形」で、繊維の目を潰し
て平くなめらかにした紙の意味。(異字体)→帋
(補)「常用字解」白川静著/平凡社
古くは古綿などをすのこですいて板に張り、紙を作っ
た。それで紙は糸偏となっているが、古くは帋と書かれ
布を字の要素する字であった。
蔡倫は樹皮、麻頭(あさくず)、敞布(ぼろ布)、魚網の類
を用いて紙を作った。紙の名は蔡倫以前にすでにあっ
たが、蔡倫はその製法を大きく改善させた紙を作り、
その紙は蔡倫紙とよばれて珍重された。
唐軍とイスラム軍が戦った751年のタラスの戦いで
捕虜になった中国人がアラビア人に紙すきの方法を
教え、紙すきの技術はアラビア人の手を経てやがて
ヨーロッパにも伝えられた。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
