ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖佳境〗
かきょう
「佳境に入る」と用いられますね。
「佳境」とは①景色の優れてよい場所 ②面白い所、
非常に良い場所、ということで、「佳境に入る」という
ことは、物語などが興味深い場面に差しかかること
をいいます。
英語で「Climax(クライマックス)」ですね。この語源
はギリシア語の「様子・段階」という意味からだそう
で、それが「頂点・絶頂」の意味として使われるよう
になったものだそうです。
<『世説新語』にあるお話し。
ある時、中国東晋の画家の顧愷之(こうがいし)は唐黍
を先の方から食べ始めました。するとそれを見ていた
者が「どうして先の方から食べるんですか」と聞くと、
「少しずつおいしい所へ進んでいくためさ」(佳境に入
るため)と答えましたと。>
語源が食べ物からだとは思いませんでした。
(おいしい所は先に食べるか、あとに残しておくか、人
それぞれ好みですね。私は先に食べる方ですね。)
調べてみると、玉蜀黍(とうもろこし)は一番甘い所は軸
元で、甘さのバランスがちょうどよい所は真ん中の部
分だそうです。焼き玉蜀黍などは、真ん中からかぶり
つきますね。
<仏教からの言葉>
〖面目〗
めんもく
一般には「めんぼく」と言って、「人に合わせる顔」「世
間に対する名誉」という意味で使われ、主に否定的に
「面目がない」として多く用いられますが、本来は仏教
語の禅宗で「めんもく」と言い、「本来の面目」という
重要な意味を持つ言葉であります。
本来の面目というと、人に備わった本来の姿(真理)、
つまり仏性のことを指します。
私たちには生まれる前から備わった仏性があり、こ
れが自我に囚われて曇ってしまった鏡のようになり、
物事の本来の姿を映し出すことができなくなっている
ということで、本来の姿(面目)を輝かすのが修行であ
るということのようです。>
<漢字の勉強>
佳ーよい・か・カイ
「人」に「圭=△型に均整がとれているという意」で、
心身共に均整がとれていてる美人。
佳作(かさく)
・立派な詩文、芸術作品。
・日本では、非常に優れてはいないが、かなりよくできた
作品の意味で用いられます。
佳日(かじつ)
・よく晴れた穏やかな暖かい日。
・めでたい日・節句(=嘉日)
佳城(かじょう)
墓地の別称。(立派な城にたとえたもの)
佳人薄命(かじんはくめい)
美人はとかく不幸で短命であるということ。
蘇軾の「薄命佳人詩」の一節「古より佳人は多く
命薄し」からであります。
多くは「美人薄命」として用いられています。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
