ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖鴛鴦の契り〗
えんおうのちぎり
永久に仲良く連れ添うという夫婦の約束。
「鴛鴦」は「おしどり」で、連れ合いの片方が死んでしま
うと、他方は愁いに沈んて死んでしまうと。
ちなみに「匹鳥(ひっちょう)」というと「つがいの鳥」のこ
とをいいます。
<『捜神記』にあるお話し。
中国の戦国時代、宋という国に住む男が美しい女性
を娶ります。その女性に目を付けた王が力尽くで奪っ
てしまいます。その結果、彼女の夫は自殺してしまい
ました。
残された妻は「夫と一緒に葬ってください」という遺言
を残し、後追い自殺をしました。王はそれを許さず、
二人の墓は少し離れた所に別々に立てられました。
そのうち、両方の墓から木が生えてきて、一晩のうち
に成長して枝が絡み合うようになりました。
そこに鴛鴦がやってきて、その絡んた枝の上に巣を
作りました。>
<仏教からの言葉>
〖妄語〗
もうご
「嘘」のことをいいます。
最大の嘘は、自分を善人に見せかけ人を信用させ、
だます偽善であります。
「私は嘘を申しませんという嘘」、政治家に多いです
ね。
これは仏教でいう「口の四悪業」の一つであります。
お釈迦様は人生の最悪の状態から人を守るための
十善戒という指標を掲げました。その中の四つが口
によるものであります。
(まさしく「口は禍のもと」でありますね。)
〖十善戒〗
十善の戒めですから、「不」がついています。
不殺生(ふせっしょう)
故意に生き物を殺さない。
不偸盗(ふちゅうとう)
盗まない。(人の物を自分のものにしない)
不邪淫(ふじゃいん)
淫らな行いをしない。(不倫など)
不妄語(ふもうご)
嘘をつかない。
不綺語(ふきご)
虚飾のある言葉は遣わない。(中身のない言葉を
話さない)
不悪口(ふあっく)
意図的な攻撃をして傷つけない。(乱暴な言葉を
遣わない)
不両舌(ふりょうぜつ)
二枚舌(他人を仲互いさせるようなことを言わない)
(「人は生まれながらに口に斧を持っている」とな。)
不慳貪(ふけんどん)
異常な欲を持たない。
不邪見(ふじゃけん)
誤った偏見を持たない。
<漢字の勉強>
契ーちぎり・ちぎる・ケイ
「丯形に刀で傷つける」に「大=人の象形」で、人の
人の肌や骨に符号を刻みつけるさまから、きざむ、
ちぎる、しるしの意味。
(補)
人の額などに刀で奴隷としての身分を示したもので
であります。
妄ーみだり・モウ・ボウ
「亡=姿が見えない」に「女」で、目先が見えず、むちゃ
くちゃに振る舞う状況を示す。(道理がなくでたらめ)
(補)
「でたらめ・いつわり」の他に、妄想(ありえないことを
みだりに想像)、妄信(みだりに信じ込む)のように「みだ
りに」の意味で用います。
仏教では、迷いの心、煩悩に汚れた心を妄心、妄念と
いい、迷いの心から物事に執着することを妄執という。
(常用字解・白川静著/平凡社)
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
