ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖威武〗
いぶ
「威武」とは「威光と武力」のことで、「威武も屈する
にあたわず」という言葉があります。
これは「どんな状況であっても、自分の意思を変え
ようとしないこと」をいいます。
<『孟子ー滕文公』
孟子に弟子の一人が尋ねます、「大丈夫とはどのよ
うな人を言いますか」と。孟子は答えます、「どんな
に財産や地位を与えても心を乱さず、どんなに貧
しい身分に落とされても志を変えず、どんなに権
力や武力でもいうことを聞かせることができない、
そういう人物のことだ」と。>
※大丈夫
①立派な男子 ②しっかりとしているさま。
③間違いなく。たしかに。
<仏教語>
〖衣鉢〗
いはつ
一般に「衣鉢を継ぐ」として用いられ、広く宗教・学
問・芸術などで、師から弟子に授けられる奥義を受
け継ぐことをいいます。
これは、禅宗で法を伝える証拠として、師から「三衣
(上着・中着・下着)と鉢」を与えることいいます。
この始まりは、達磨が「袈裟と鉢とを禅の奥義をう
得た印として代々に伝える」としたことにあります。
※袈裟・・・僧侶の服。(もとは梵語の「壊色・不正雑色」
という意味。)
『衣鉢を継ぐ』有名な話があります。
<中国禅宗の五祖弘忍(ぐにん)は法を継がせる者
を選ぶために、悟りの境地を詩をもって示すよう
弟子たちに通達しました。
門下の筆頭神秀は壁に
身は是れ菩提樹
心は明鏡台の如し
時々に勤めて払拭し
塵埃有らしむること莫れ
と書きます。
これを見た字の読めない下働きの慧能は、近くの僧
に読んでもらいます。そしてその詩の横に、次のよう
に書いてもらいます。
菩提本樹無く
明鏡また台に非(あら)ず
本来無一物
いずれの處にか塵埃を惹(ひ)かん
これを見て弘忍は慧能に六祖を継がせますが、
下働きの慧能を他の弟子たちは受け入れないだ
ろう。
暴徒化して襲われる慧能の身の危険を避けるた
めに、ひそかに慧能を逃し、衣鉢を渡し分かれま
した。>
(この跡の話しもありますが、長くなるのでここまで
とします。興味のある方は調べてみては?)
<漢字の勉強>
威ーたけし・おどす・イ
「女」に「戉=まさかり」で、おので女性をおどすさまから、
おどすの意味。
武ーたけし・ブ・ム
「止=足の象形で行く」に「戈=ほこ」で、ほこをもって戦
いに行く意味。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
