ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖井の中の蛙〗
いのなかのかえる
知識や見分の狭いことのたとえ。
また、自分の狭い知識や見分にとらわれて、他に広
い世界があることを知らないたとえ。
<『荘子ー秋水』
井戸に棲む蛙が東海に棲む亀に向かって、井戸の
世界のすばらしさを語ったところ、亀から海の広さを
聞かされて茫然としたと。>
逆に「海の亀は井戸の小ささを知らない」ということで、
大きいことを言われても、恐るに足りずということもあり
ますね。
来て見ればさほどでもなし富士の山
<仏教語>
〖莫妄想〗
まくもうそう
禅語で「妄想すること莫(なか)れ」ということであります。
無業和尚は一生涯誰が尋ねても「莫妄想」で通したと。
これは「妄想無き時、一心是れ仏国」という意味を持ち
ます。
禅門では「妄想」は相対的分別(生死・善悪・是非など)
をさします。
「莫妄想」とは「生死、善悪、是非に成りきってやって
行け」ことだそうですが、難問でよく分かりませんね。
『南無そのまんま』(ひろさちや著/ビジネス社)という
本に次のようなことが書かれていました。抜粋してみ
ます。
<未来というのは読んで字のごとく「未だ来たらず」
です。未だ来ていないことだからどうなるかわから
ない。そんなことを心配しても、まったく意味はあり
ません。万事は「莫妄想」でです。考えたも分から
ないことは考えてはいけないのです。
原始仏教の「中部経典」にこういう一節があります。
過去を追うな。
未来を願うな。
過去はすでに捨てられた。
そして未来はまだやって来ない。
だから現在のことがらを
それがあるところにおいて観察し、
揺らぐことなく動ずることなく
よく見きわめて実践せよ。
ただ今日なすべきことを熱心になせ。>
今、病について少し不安があり落ち着かない心境で
すが、これを読んで少し腹を据えることができそうで
す。(私、生来臆病という病に罹っています。また、心
が揺らがないといいんですが・・・・。)
<漢字の勉強>
蛙ーかえる・かわず・ア
「虫」に「圭=カエルの鳴き声の擬声語」で、鳴き声が
作られたもの。
※蝦蟇などの大型のカエルと区別されアカガエル属
に当てられる。古くは食用とされ「田鶏」と称された。
和訓の「かえる」もその鳴き声からで、「かわず」は
「田の蛙」に対して「河つかえる」が転じたものだそ
うです。
蛙声(あせい)
①カエルの鳴き声 ②みだらな音楽
蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)
蛙の鳴き声と蝉の騒がしい声で、やかましく言い騒ぐ
こと、また、つまらぬことをくだくだ述べる文章、議論。
亀ーかめ・キ
カメの姿を描いた図形。
和訓の「かめ」は「甕=かめ」に似ているところからと、
「神=かみ」の音転からとの説があります。
これは、吉凶を知る霊的動物とされ、占いにもちい
られました。(四霊→麒麟・鳳凰・竜・亀=玄武)
また導引(気功)をして老いを養う動物とされ、吉祥・
長寿・邪よけの象徴とされます。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
