ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖月下氷人〗けっかひょうじん
「月下老人」と「氷上人」を合わせた言葉で、仲人を
意味します。
[月下老人]
唐の貞観年間の頃、韋固という青年が月の光の下
で袋に寄りかかって本を読んでいる老人に出会いま
す。何の本を読んでいるのかと尋ねると、その老人
は「冥土の本だ」といいます。さらに「冥土の人がど
うしてこんな所にいるんですか。」と尋ねると、老人
は「冥土の役人は生きている人間を管理するため
にこの世に現れるのだ。私は世の中の結婚の帳
簿を管理している。お前の嫁は今はまだ三歳だが、
その子が十七歳になった時、お前の所にくるはず
だ。」と言うではないですか。そして、袋の中の物を
聞くと「赤い縄だ。これは夫婦の足をつなぐもので、
一度これでつなげばどんなことがあっても、必ず
結ばれて夫婦になる。」という。
やがて夜が明けると、老人の後をついて市場へやっ
てきます。
老人は片目の老婆が抱いているのを指して「あれが
お前の妻になる子だ」と言いました。・・・・・
・・・・・・・
十四年の時が経ち、韋固は役人になり知事の娘と
結婚します。
娘は十六、七歳。この娘が老婆の抱いていた子で、
知事の養子となっていたのでありました。
[氷上人]
晋の令孤策という者が、氷の上に立って氷の下の人と
語っていた夢を見ました。それを占いの名人に相談す
ると、それは氷上の陽と氷下の陰が語ったのだから、
君が結婚の媒介をしてそれが成立する前兆だというこ
とでありました。まもなくその言葉通り、太守の息子の
結婚の仲介を令孤策に頼んできて、その結婚が成立
したという。
<仏教語>
〖一味〗いちみ
一般には「同士とか味方」と言う意味で用いられますね。
本来は字のごとく「一つの味」ということで、仏の教えは
時、所、相手の能力に応じでさまざまであるが、中味は
同じだという事で、「一味の法」とか「一味の雨」などと
いいます。
<漢字の勉強>
〖ひと〗
和訓の「ひと」は「霊・日」に「止・留・所」で、「霊の留
まる所」?
ただ確定したものはないそうです。
人ーひと・ニン・ジン
横から見た人(歩いている)の象形。
大ーおおきい・ダイ・タイ
両手両足を伸びやかにした形を正面から見た形。
天ーあめ・あま・テン
人の頭部を大きく強調した形で、うえのいただき、
そらの意味。
匕ーさじ・ヒ
これは「人を逆さまにした形」で、人が形を変えるか
ら、変化するの意味を示しています。
北ーきた・そむく・ホク
「人+匕」で、二人の人が背を向けている姿で、
そむくの意味をあらわし、それから逃げるの意味を
持つ。
また、人は南を向くことを好み、それに背く方向、北
の意味となる。
比ーくらべる・ヒ
「ヒ(人)が同じ方向を向いている形」で、並ぶ、した
しむの意味。
死ーシ
「歹=骨の断片」に「匕=人を逆さまにした形」で、人
が日常ならざる姿になって、骨に分解されることを示
したもの。
立ーたつ・リツ・リュウ
「大=人を正面から見た姿」に「ー線=地面」で、人が
地面に両足をつけたさま。
並ーなみ・ならべる・ヘイ
旧字は「竝」。
同じように横にならぶさま。
※「比」は縦列、「並」は並列(横にならぶ)ということ
のようですね。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
