≪ことばの物語≫
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖左袒〗ーさたん
味方すること。賛成すること。
「左袒」は「左片肌を脱ぐこと」であります。
<漢の高祖(劉邦)が死ぬと、正室の呂(りょ)皇后は
側室やそれらの子(庶子)を殺し、劉氏一族に限ら
れていた諸侯(秦以後王と称す)を排斥し、呂氏一族
と入れ替えたりして、我が子を皇帝に就かせ、呂氏
一族の占有を図ります。
そして、彼女が死ぬと呂氏一族と劉氏一族の対立が
表面化してきます。(呂氏の乱)
その時、劉邦の時からの臣下周勃は軍を招集し
兵に向かって「呂氏に味方する者は右袒せよ。
劉氏に味方する者は左袒せよ」と呼びかけます。
そうすると全員が左袒しました。
周勃は呂氏一族を滅ぼし、劉氏をたて皇帝とします。
それが漢の文帝であります。>
呂皇太后は中国三大悪女(唐の則天武后・清の西太后)の
一人とさます。
劉邦の死後、愛妾であった戚夫人を奴隷におとし、
両手両足を切断させ、目玉をくりぬき、薬で耳、声を潰し
便所において人豚と呼ばせたと。
(両手両足切断の時点で死んでいたと思うのですが?)
それを見て、呂皇太后の実子恵帝はあまりのショックで、
酒に溺れ間もなく死んだといいます。
<仏教語>
〖慈悲〗
愛しみ憐れむ心のことですが、これは大乗仏教の
根幹で、菩薩の悲願であります。
「慈」はサンスクリット語の「マイトリー=友情愛」の漢
訳語で、「悲」はサンスクリット語の「カルナー=あわれ
み」の漢訳語であります。
仏教で「慈」は仏・菩薩が「衆生に楽を与えること」
「悲」は仏・菩薩が「衆生の苦しみを取り除くこと」と
されます。
「慈悲=抜苦与楽」ということであります。
<漢字の勉強>
慈ーいつくしむ・ジ
「茲=草の芽と細い糸」で、小さいものが成長し増える
ことを表し、それに「心」で、小さい子供を育てる親心の
こと。
悲ーかんしむ・ヒ
「非=左右反対に分かれる」に「心」で、心か引き裂か
れいたむ、かなしむの意味。
(補)
「非」は、羽根が左右反対に開くさま。
袒ーはだぬぐ・タン
「衤=衣」に「旦=地平線上に朝日が現れるさま」で、
衣を脱いで肌が表れるの意味。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
