ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖削足適履〗ーさくそくてきり
「足を削ってさ履(くつ)に適す」と訓じます。
本来を取り違えて無理に物事を行うこと。
また、目先のことにとらわれて根本を考えないたとえ。
(ガラスの靴に足を切って合わせようとしたシンデレラの
姉妹のようですね。これは「本当は恐ろしいシンデレラ」
にあるお話であります。)
『淮南子(えなんじ)』の「説林訓」にあります。
<門を壊して薪にしたり、井戸を塞いで臼を作ったり
する。人が物を成すにあたっては、時としてこんな
愚かしいこともする。
水と火は本性相憎むものであるが、鼎がその間に
あると五味を調和することができる。
反対に骨肉(肉親)は愛し合うものだが、
讒賊(ざんぞく)が離間すれば、父子でも殺し合う
ようになる。
養う者のために、養われる者を害することは、
ちょうど足を削って履に合わせ、頭を殺(そ)いで
冠の大きさにするようなものだ。>
(一時期、取沙汰された教育ママのようなものですね。
親の価値観を押し付け、𠮟咤することは子をスポイル
することになりますね。)
※「讒賊」は人をそしり傷つけること。また、そのような人。
「離間」は仲たがい。
<仏教語>
〖三明六通〗
悟りを得た者が手に入れることができるとされる
「神通力」であります。
これは誰もが欲しがる超能力でありますね。
密教の坊さんは超能力で悪魔を調伏するようです
が、私から見ると一つを除き、煩悩(欲望)の極みに
思えて、仏の教えの真逆のように思えるんですが?
思った通り、仏陀は超自然的能力はしばしば魔法
に陥るとして全部退けています。
<六神通>
・天眼通・・・自分や他人の未来を見通す。
・宿命通・・・自分や他人の過去世を知る。
・漏尽通・・・煩悩を取り去る能力。
(以上が「三明」で、とくに重要な神通力)
・神足通・・・行きたいところへ自由に行ける。
・天耳通・・・普通の人が聞こえない音を聞く。
・他心通・・・他人の心を読む。
〖有漏〗ーうろ
「漏」は仏教では、さまざまな心の汚れの総称で、
広い意味で煩悩と同義とされます。
「露出=流れ出る」という意から、煩悩は六根から
流れ出て、心を散乱させるもので、そのような状態を
「有漏」といいます。
煩悩にかかわりのない汚れを滅し尽された状態を
「無漏」といいます。
※六根・・・眼(視覚)・耳(聴覚)・鼻(嗅覚)・舌(味覚)・
身(触覚)・意(意識)
有漏路より無漏路へ帰る一休み
雨ふらば降れ 風ふかば吹け (一休)
<漢字の勉強>
履ーはく・はきもの・リ
もとは「尸=ひと」に「彳=いく・みち」に「舟」に
「夊=あし」で、人が足で道をあみ歩く意味を示す。
のちに「尸+復(同じ道を歩いて帰る)」となった。
屐(木のくつ)・屣(スリッパ・引きずってはく)・
靴(皮でできた長ぐつ) 草履(ぞうり)
悟ーさとる・ゴ
「心」に「吾=晤(あきらか)に通じ、明らかになる」で、
心が明るくなる、さとるの意味。
悟性(ごせい)
1.りこうな生まれつき。
2.理性一般。
3.哲学で合理的に判断し、概念を作る論理的な
思考力。感性や理性と区別して用いられる。
吾入(ごにゅう)
仏教で悟りを開くこと。道理を会得すること。
漏ーもれる・もらす・ロ
「水」に「尸=やね」に「雨」で、屋根から雨がもれる
こと。
漏刻(ろこく)…水時計の一種。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
