ことばの物語
≪おんなー女・娘・嬢・婦・妻・妃≫
※女性を表す字は多いので、気になるものだけを調べました。
〖女護ヶ島〗ーにょうごがしま
日本の伝説で、海上にある女性のみが暮らすしてい
いて、この島では女性しか生まれない、または育たな
いと言われます。
男が足を踏み入れると、容易に変えることができない
と。
井原西鶴の『好色一代男』の主人公・世之介が放蕩の
末、最後に向かったのがこの島でありました。
伝説では、八条島や与那国島、奄美群島付近にあると
言われていました。
この島の女たちは西風を受けて身籠り、女ばかりを生
むそうですよ。
滝沢馬琴の『椿説弓張月』(ちんせつゆみはりづき)では
男は鬼ヶ島、女は女護ヶ島に住んでいて、年に一度
男が女の島に渡り契りを結び、生まれた男は鬼ヶ島に
やり、女は島に残しす風習があったと。
〖アマゾネス〗
ギリシア神話に出てくる女性だけの戦闘的な部族。
軍神アレスを祖とします。
コヘカサス、スキタイ、トラキアの地方の未開の地に
あったとされます。
名前の意味は「乳房のない」ということで、弓を射るの
に邪魔になるので右の乳房を切除したと。
彼女たちは他国の男と交わり子を作り、その子が男
児だと殺すか、不具者にして奴隷にし、女児のみを
育てたといいます。
(参考:神の文化史事典/白水社)
女ーおんな・め・ジョ・ニョウ・ニョ
字の成り立ちは「両手をしなやかに重ね、膝をつく
女性の象形」。
※別説では「なよっとした女性の体つき」。
和訓の古語は「をみな」で、若い女性の意味で、これ
が音便化して「おんな」となり、女性全般を指すよう
になります。
娘ーむすめ・ジョウ・ニョ
字の成り立ちは「女」に「良」で良い女、むすめのこと。
和訓の「むすめ」は「生す・産す+め」で「め」は「ひめ
(姫)」の「め」で女。
ちなみに「むすこ(息子)」の「こ」は「ひこ(彦)」の「こ」
で男。
※中国語でよく聞く「クーニャン姑娘」は、未婚の若い
女性。「ニャンニャン娘娘」は、子授けの神、また、
母、妃の意味であります。
嬢ーはは・むすめ・ジョウ
字の成り立ちは「女」に「襄=柔らかい」で、肉付きが
ふくよかな軟らかい女性で、母の意味で用いられま
す。
※日本では誤って「嬢」の略字が「娘」とされ、若い未婚の
女性の下につける敬称として定着しました。
婦ーフ
字の成り立ちは「女」に「帚=ほうき」。
妃ーきさき・ヒ
字の成り立ちは「女」に「己=蛇の象形で雨神」で、
蛇の形をした雨神にそいつかえる女性から、きさき
の意味を表しています。
元は妻と同義でありましたが、中国の律令制で
天子の配偶者の貴称とされました。これが日本
に伝来します。
和訓の「きさき」の語源は「来避き」で、来ると遠ざ
かり敬う人ということであります。
女性の字は多くて、調べるのに大変です。
男尊女卑の時代にできた漢字なのに、女性蔑視し
ながらも、男にとって女性はなんと関心が高い存在
であったのでしょうね。
[参]『この漢字が読めますか?』加納喜光著/PHP文庫
・天子の妻は上位から后・妃・嬪。
・一般の正妻は嫡。(嫡男→跡継ぎの息子)
・側室、妾の子は庶子。
・姫は「女+頤の原字」で、頤のふくよかな女性で、
高貴な身分の女性。
・身分の低い女性は婢(はしため)。
・年老いた女性は婆・姥・媼。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
