ことばの物語
≪あおぐー扇子・団扇≫
扇子、団扇を説明すると、ともに風を起こす携帯用道具
となります。
扇子は薄く細くした板(骨)を束ねて、「要(蟹目)」と呼ばれ
るピンでとめ、開閉ができるようにしたもので、
日本(平安時代)で開発されたものだそうです。
これがき中国に渡り、ヨーロッパへと伝わり、社交界など
で、独自のフォルムを持つようになります。
団扇(うちわ)は奈良時代(飛鳥時代とも)に中国から
伝来したもので、骨の集まった部分の下に柄がありま
すね。
団扇は初めの頃は漢語の「翳」と呼ばれていたようです。
初期のころは次のような用い方がされていました。
・高貴な人が威厳を示すために顔を隠すもの。
・邪気を払うもの。
・虫を追い払うもの。
和訓の「うちわ」の語源は「虫を打つ羽」の省略形
「打つ羽」が音転したものでありますと。
団扇には柄のないものもあり、扇部の端をくりぬいて
そこに指を入れて用いる「穴あきうちわ」というものも
あります。
扇子は古くは「扇=おおぎ」と呼ばれていました。
和訓の「おおぎ」の語源は「あふぐ(あおぐ)」が音転し
たものであります。
「肝心要」の「要」は、この扇の「要」の役割からであ
ります。
扇ーおおぎ・セン
字の成り立ちは「戸」に「羽」で、鳥の羽のように
広がったり閉じたりする軽い扉(竹で編んだ扉ー扇門)
からで、広げた羽のようなおおぎ。
※中国の明の時代に日本から中国に輸入されます。
(摺扇ーじょうせん)
西欧絵画の貴婦人の持つ扇子(ロココ時代に流行)は
17世紀頃~18世紀にヨーロッパで制作された
スペイン扇具といわれるもので、特徴は絹やレースが
貼られています。
〖扇の種類』
・冬の扇
檜扇、中啓といわれるもの。
檜扇は宮中で用いられたもので、扇面に何も貼られ
ていない檜の薄板だけでできているもので、おもに
儀礼で用いられます。
中啓は能楽などで用いられる骨の少ない(10本骨)
「沈め折り」といわれるもの。
折りたたんだ時、銀杏の葉のように扇の上端が広
がった形になります。
・夏の扇
蝙蝠扇(骨が扇の裏面に露出したもの)や一般に
使用される骨が多い両面張りの扇子。
「秋の扇」(故事)
男の愛情を失った女のたとえ。
<中国前漢の成帝に愛された班婕妤(はんしょうじょ)
が、後に趙飛燕(ちょうひえん)に帝の寵愛を奪われ、
我が身を不要になった秋の扇にたとえて歌った
という。>(文選)
・軍扇
武将が戦場に携えた扇。
一般的には骨は黒塗りの塗骨。
表は赤字に金の日輪が描かれ、裏は紺色地に銀で
月と星(北斗七星)が描かれています。
・舞扇
沈折の扇。
日本舞踊や歌舞伎に用いられます。
・祝儀扇
冠婚葬祭用。
祝儀では男は白扇子、女は金または銀色の扇子。
不祝儀(葬儀など)では黒の扇子。
〖団扇〗
「団」は丸いという意味。
語源は「蠅や蚊などの虫を打ち払う」からて、
これから病魔などを祓う魔除けになるとされて、門口
などに貼られることもあったと。(烏団扇)
また、地紙に真言を書いた団扇がお寺で作られ、
「団扇撒き」などの会式があったと。(宝扇)
団扇は贈答品としても用いられ、この名残が企業や
商店が配る団扇であります。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
