ことばの物語
≪おとこー男・士・漢・郎・夫≫
〖丈夫〗
日本では「じょうぶ」というと、「身体が壮健であるさま」
として用いられますが、漢語の本来の意味は「成人した
一人前の男子」のことを言います。
それは、中国の周王朝で1丈を以て成年男子とする
という制度によるものでありました。
日本でも古くはこの意味でしたが、身体が壮健であるこ
とや堅固であることを言うようになったのは、中世末頃
からだそうです。
また、「大丈夫」というと「危なげがなく確かなさま」を言
いますが、これは丈夫の美称でありました。
現在、成年男子の意味で使われる言葉で日本に残って
いるのが「美丈夫」という言葉で、美しい立派な男子と
いう意味であります。
〖おとこ・おんな〗古語
彦・姫
男性、女性の美称。
「ひこ・ひめ」の「ひ」は、まだ一人前でないという意味
をもちます。「こ」は男、「め」は女の意。
をとこ・をとめー男・乙女
「をと」は「成人」の意て、成人した若い者。
それに「ひこのこ」「ひめのめ」を付したもの。
おきな・おみなー翁・嫗(媼-おうな)
老人の男女。
「な」は「…状態にある」で、「おき=老いた男」
「おみ=老いた女」。(おは老(おいのお)
男ーおとこ・ダン・ナン
字の成り立ちは「田=耕作地」に「力」で、耕地で力で
生産する働き手。
※「男は任なり」で、力仕事を任せられる者。
男女平等は人として当然のことであります。女性蔑視
は我が母を蔑むことでもありますね。
アダムとイブが楽園を追放さけて以来、男女の差は
力仕事と出産の違い以外にはないないもであります。
士ーさむらい・シ
字の成り立ちは「ある種のまさかりの象形」で、まさ
かりを持つような男子。
※別説では「男性の陰茎の突きたったさま」で、成人して
自立したおとこ。
漢ーおとこ・カン
字の成り立ちは「氵=水」に「かわく」で、元来は水のな
い銀河のことでしたが、古くから湖北省にある「漢水」
のことでありました。
この流域に建てられ国が、その地の名をとつて「漢」
と称しました。
そのご中国全土を統一したところから、中国全土の
意なりました。
北方異民族が中国の兵士を「漢」と呼んだところか
ら一般に男を指すようになりました。
郎ーおとこ・ロウ
字の成り立ちは「阝(邑)=むら」に「良」で、もと地名を
表したもので、借りてよい男の意味とする。
※古代中国で「いい人」(女性の恋人や夫)を良人といいました。
この「良」と「郎」の中国音が似ているところから「良人」を「郎」
の一字にまとめたでありますと。
夫ーおっと・おとこ・フ・フウ
字の成り立ちは「大」に「ー=冠のかんざし」で、
成人男子の意味を表したもの。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
