ことばの物語
<花札の絵札 2>
2月 梅に鶯
梅も鶯も日本を代表するもので、美の調和を表してい
るようです。
(桜は平安期から人気が出てきたもので、それまでは
中国文化の影響で、梅でありました。)
鶯(うぐいす)はスズメ目で、確かに雀を少し大きくした姿
をしていますね。
鶯は黄緑がかった褐色ですが、花札の鶯は鮮やかな
緑(萌黄色)であります。これ、メジロではではとの?
子供の頃は鶯は萌黄色と思っていました。
あの花札の萌黄色と囀りの「ホウーホケキョ」は、お
似合いなんですがね。
日本の三鳴き鳥(鶯・大瑠璃・駒鳥)の一つで、早春に
鳴き始めるところから「春告鳥」ともいわれます。
※「ホウーホケキョ」と鳴くのは雄鶏で、縄張りを告げる
時の鳴き方だそうです。
調べてみると、異称がたくさんありました。
初音・春鳥・経読鳥(法華経)・花見鳥・歌詠鳥・匂鳥・
人来鳥・百千鳥・黄鳥・金衣公子・報春鳥・禁鳥
それぞれの語源を調べるとおもしろそうですね。
鶯ーうぐいす・オウ
字の成り立ちは「熒の略+鳥」。
「熒」は「火+冖(枠)」で、枠の周りを取り巻いて燃え盛る
火。この「取り囲む」イメージから、首の周りを黒い輪が
取り巻く鳥。
3月 桜に幕
桜といえば花見。
古くは奈良時代頃までの花見は梅の花で、貴族たちが
静かに鑑賞し和歌などを詠みました。
これも中国文化の影響でありました。
これが桜になっていくのは、平安時代に入ってからだ
そうです。
現在のような桜の下での酒宴の始まりは、豊臣秀吉
であるとの話も。
いずれにしても、庶民には縁のないことであり、宴は
幕で囲ってなされていたようですね。
これが広く庶民に広がったのは、江戸時代からだそ
うです。
幕ーマク・バク
字の成り立ちは「莫=草の間に太陽が隠れるさま」
に「布」で、物を隠して見えなくする多い布。
※「莫」は「幕」の原字。
【代表的な幕】
〖紅白幕〗
お祝い(ハレの日)に用いられます。
赤と白の幕ですが「赤白幕」とはいいません。「赤」が
「赤貧・赤裸々」などに通じるところから、「紅」をもちい
ます。
※「ハレ(晴)」は日常(ケ)に対してめでたい状況を指し、
注連縄(しめなわ)、幟(のぼり)、幕などで仕切ることに
よってその空間がハレの場となります。
一方「ケガレ(穢れ)」は不浄とされ、神聖な場所から
排斥されるものであり、祭祀などには参加でいない
という、主に神道の考え方であります。
〖白黒幕〗
「鯨幕」と言われるもので、これは鯨の白黒の縞模様
からであります。
現在では葬儀専用とされますが、これは葬儀屋が規
定したもので、本来「鯨幕」は慶弔に関係なく儀式用
の物でありました。この慣習は皇族の儀式に生きてい
ます。
ちなみに、喪服は古くは「白」でありました。時代によ
り変転があるようですが、現在のように「黒」となった
のは、明治時代の西洋の流入で、西洋に合わせて礼
服を黒と規定したところからであります。
〖浅葱色幕〗
濃いめの水色の神事用の幕です。
一般には、地鎮祭、上棟式などに用いられます。
他にもいろいろな幕があります。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
