ことばの物語
≪花暦Ⅴー10月~12月≫
10月 神無月 木犀
漢語では古くは「桂花=けいか」と言われていました。
字の成り立ちは「木+犀」で、木の皮が犀の肌ににて
いるところからだそうです。
木犀というと一般に「銀木犀」のことを指し、
他に「金木犀」「薄黄木犀」があります。
芳香を放ち、「九里香」という別称があります。
10月の異称〖神無月〗は本来は「無=の」の意味で、
神の月と言う意でありました。
これが誤解されて「神無し月」となり、全国の神が出雲に
あつまり、神が各地からいなくなる月とされ、また、出雲で
は「神在月」と言うという説まで生まれています。
(江戸の花暦では「紅葉」)
11月 霜月 山茶花
漢語で山茶花は「つばき」のことを指していました。
日本、中国ともに「山茶花」は「つばき」で、長いこと混同
されていたようで、中国の明時代にどうやら「つばき」を
「梅茶」と表記するようになったようです。
(これは梅と開花時期が同じところから)
「山茶花」と「椿」の見分け方は12月18日のプログで
UPしています。(省略)
和訓の「さざんか」の語源は「さんちゃか→ささんか」と
音転して「さざんか」となったと。
ある漢和辞典では「山茶」を「つばき」としていました。
二つは誤用、誤用の連続であったようです。
11月の異称〖霜月〗は霜が降りる頃の意から。
(江戸の花暦では「柳」)
12月 師走 枇杷
「びわ」は実の形が楽器の琵琶に似ているところから
だそうで、バラ科の植物であります。
琵琶はシルクロードでイランから西域を通じて中国に伝
来したものですが、それまでは「枇杷」は名前がなかった
ようです。
楽器の「びわ」はその楽器の弾き方からだそうで、
「批=両手を並べて打ち合わせる」+「把=掌を押し当てて
引搔く」=「批把・ヒーハ(漢音)」で、木であることを示すた
めに、この字の手偏を木に変えたものが「枇杷」。
楽器の琵琶の字は区別の為に後から作られましたと。
原産は中国ですが、四国、九州でも自生しています。
枇杷は結実するまでになるのには、長い時を要します。
「桃栗三年、柿八年、枇杷十三年」
12月の異称は〖師走〗ですが、年の瀬で忙しく
師匠といえども走り回るということらしいですが、別説
には僧侶が経を上げるために東奔西走する月だとも。
(江戸の花暦は「桐」)
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
