ことばの物語
≪ねずみー鼠≫
♪ずいずいずっころばし ごまみそずい
ちゃつぼにおわれて トッピンシャン
ぬけたらドンドコショ
たわらのねずみが米くってチュー
チューチューチュー ・・・・♪
謎の多い歌だそうですが?
人間の生活圏に棲息する鼠は、食物を荒らす害獣
であり、また中世ヨーロッパに猛威を振るったペスト
(黒死病)の運び屋でもありました。
古代の高床式の蔵は鼠除けの建物でありますね。
一方、ハツカネズミのように愛らしい姿は、愛玩さ
れています。
「ネズミ目」の動物は約1300種もあるそうです。
英語て大型の鼠を「Rat」、小型のものを「Ⅿouse」
というそうです。
次から次に増えることを「ネズミ算」といいますが、
それは鼠が3~4週間で子供が生める成獣になり、
一度の出産で6~7匹生む生態からでありますね。
和訓の「ネズミ」の語源
〇「ネ」は「ヌ」に通じ「ヌスミ」で、盗みをする動物
から。
〇「寝盗」。寝ている間に盗みをする。
〇「ネ」は「根の国=暗い所」、「スミ」は棲むで、暗い
所に棲む動物。
鼠は夜行性で、暗闇は異界とされていた古代にお
いては、異界とを行き来する不思議な動物と考えら
れてもいました。
また、鼠は穀物を蓄える習性があり、これから鼠に
対する財福信仰が生まれ、七福神の大黒天の使い
(神使)とされるようになります。さらに、仏教の大国天
と神道の大国神とが習合します。
ネズミは予知能力があるとも言われ、その家に火事
が起こる三日前にまった居なくなるといわれます。
鉱山でも、ネズミが異変を知らせるくれるといわれ、
大切にされ、鉱夫は弁当の米粒を鼠に与える風習
があったとも聞きます。
大国神が兄弟に焼き殺されそうになった時、鼠に助
けられたという話もがあります。
大黒天は密教で厨房の神とされ、大国神は鼠に火
から救われる。火を媒介としての鼠、よくできていま
すね。
鼠ーねずみ・ソ・ショ
「鼡」は異字体ですが、こちらを日常用としてほしいで
すね。
鼠の字は複雑すぎますね。
字の成り立ちは「ネズミの姿を描いたもの」ですが、
「庶=数多い」と同系で、数多く増えることに着目した
字であろうと、漢和辞典に書かれていました。
別の辞書には「歯をむき出し尾の長いねずみの形」
とありました。
鼠疫(そえき)
黒死病。ネズミに寄生する蚤から伝染するペスト。
※黒死病といわれるのは、皮膚が乾燥して紫黒色
を呈するところからであります。
鼠肝虫臂(そかんちゅうし)
鼠のきもと虫のひじで、とるにたらないことのたとえ。
鼠鬚筆(そしゅひつ)
ねずみのひげで作った筆。
※王義之が初めて作ったとされ、書家が珍重する。
鼠窃狗盗(そせつくとう)
こそどろのこと。
※鼠や狗(いぬ)のようにこそこそと物を盗むという意。
鼠社に憑りて貴し(ねずみしゃによりてたっとし)
社(やしろ)に巣くう鼠は、これをいぶりだして捕らえよう
としても、社の焼けるのがこわいのでそのままにして
おく。
主君の威光をかさにきる小人のたとえ。
<白黒鼠の喩え>
仏典にある話で、ある時、野原を歩いていた旅人か
象に襲われ、古井戸に垂れ下がった藤蔓を伝って
中へ逃げました。
ところが、井戸の底には大蛇が口を開けて待ってい
ます。さらに、白と黒の鼠がかわるがわる蔓の根を
かじっています。もうだめだと覚悟した時、旅人の口
に蔓の根元にあった蜂の巣から五滴の蜂蜜が入って
きてその甘さにしばし恐れを忘れました。
(それぞれの意味するもの)
・藤蔓は生命のこと。
・白と黒の鼠は昼と夜。
・蜂蜜は食欲、睡眠欲、色欲、名誉欲、財産欲の五つ
の欲望。
・大蛇はいつ来るか分からない待ち受けている死の影。
いつ死ぬか分からない、だから死を前提として
一日一日を、目先の小欲でごまかすことなく、真剣に
生きなさいということだと思います。(私の解釈)
それぞれで、いろいろな解釈ができますね。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
