ことばの物語
≪しんぴー神・秘≫
〖ミステリー〗
神秘は英語で「ミステリー」といいます。
これは、人間ではかり知れない霊妙な秘密という
ことであります。神のみぞ知る世界でありますね。
「ミステリー」語源はギリシア語の「ミュステーリオン」
からで、古代ギリシアで行われていた「秘密儀式」を
指します。その代表的なものが「エレウシスの秘儀」
であります。
これは農業崇拝を基盤とする豊穣の神デメテルとそ
の娘ペルセポネに捧げられた神事(宗教的秘儀)であ
ります。
(エレウシスはアテナイに隣接している所にあります。
この地名は、死後の楽園エリュミオンと関係がある
そうです。)
<デメテルの娘ペルセポネが冥界の王ハデスに連れ
去られます。愛しい娘を探してデメテルは各地を放浪
します。その途中、エレウシスで老婆に身を変え、そ
の地の王ケレオスの息子の乳母になり、その子を大
変可愛がっていました。そのうち正体がばれ、そこを
立ち 去ることになります。
そして、ケレオス王に秘儀を伝え、ペルセポネの為
に、毎年祈りを捧げるように命じます。
「この秘儀は参加した者以外には漏らしては
ならない・・・・・
秘儀に参加して秘密を守る者はペルセポネ
(死と再生の女神)の恵みを受け、死後の世界
で幸福になれるであろう」と伝えます。・・・・
さらにデメテルはペルセポネを探す旅を続けます。
その間に地上は不毛の地となり、これを見かねた主
神のゼウスは、ハデスにペルセポネをデメテルに返
すように説得します。
ハデスはその要求を聞き、地上に戻すことにします
がペルセポネはついうっかりと冥界のザクロを一粒、
口にしていました。
冥界の食べ物を食べると、冥界の人間となってしま
い、地上に戻れなくなるといわれています。
そこで妥協案として、1/3は冥界で暮らし、2/3は
地上のデメテルの元で暮らすようになったと。>
神ーかみ・シン
字の成り立ちは「示=祭壇」に「申=稲光の象形」で、
天のかみの意味。
(補)
稲光は天の神の威光の表れと考えられていた。
(雷は「神鳴り」であります。)「申」が神のもとの字
であったが、「申=もうす」に借用されたため、「示」
を付して区別したものであります。
「神」はもと自然の事物や力を崇拝する自然神
のことでしたが、祖先の霊おも神として祀るように
なりました。
【字義】
・かみ。天神⇔地祇(ちぎ/土地神)
・たましい→霊魂
・こころ→精神
・理性ではかれない不思議な働き。
・極めて尊くて、犯すことのできないもの。→神聖
秘ーひめる・ヒ
元の字は「祕」。
字の成り立ちは「示=祭壇」に「必=閉に通じ、とじる」
で閉じられた神の世界の意味から、奥深くて知ること
ができない、ひめかくすの意味。
【字義】
.・ひめる・かくす→秘密
・奥深くて知ることができない→神秘
・めずらしい
・ひそかに
誤字脱字ご容赦ください。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社) 字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版