ことばの物語
≪おおかみー狼Ⅱ≫
〖人狼〗
別称 狼人間。
世界にこの伝説はあるようです。
これが注目されたのは、中世の頃、キリスト教が土着
の宗教を排斥するために利用したことに始まるようです。
狼人間は半人半狼の姿に変身するといわれます。
変身ですから、もとの姿に戻るものであります。
英語で「werewolf=ウェアウルフ」といわれ、「wer」は
ギリシア語で「男」を表し、もちは狼男であったようで
す。男がいれば女もとなるのは当然で、狼女も考えら
れ、男女総称として用いられるようになったそうです。
物語などに、主に出てくるのは狼男であるのは、納得
のいく話ですね。
初出はヘロドトスの著『歴史』にあるようです。
「ネウロイ人(ベラルーシ、リトアニア方面にいた部族)が、
一年に一度狼になる」という記述があると。
ローマ帝国末期には「症候群として、人が獣化する現
象がある」として紹介されていたようですが、『博物誌』
のプリニウスは、このような話を伝えながらも「狼に
変身し、その後もとの姿に戻る人間があるということ
ほど、でたらめなものはない」と言っています。
また、人狼は傷を負わせると元の姿に戻るという伝承
もあるそうです。
狼は遊牧民族にとっては、家畜を襲う邪悪なものです
が、農耕民族にとっては、恐ろしいものでありますが、
穀物の芽を食い作物をダメにする鹿などを、駆逐してく
れるありがたい存在でもありました。恐れながらもその
力を頼む信仰が生まれました。
〖蒼き狼〗
モンゴルの祖とされます。
<元朝秘史にある神話>
上天より命ありて、生まれた青き狼あり。
その妻なる白き牝鹿、テンギス湖を渡って
くる。・・・・・
生まれたるバタチカンありき・・・・
これがモンゴル民族の先祖とされています。
狼ーおおかみ・ロウ
字の成り立ちは「犭=いぬ・獣を表す」に「良=浪の略」
で、押し寄せる波のように群れをなしておそう、おおか
みの意味。
(補)
「良」は汚れなくきれいに澄む意を表し、澄んだ感じ
を与える蒼灰色の毛を持つオオカミの形態的特徴
から造られた字。
和訓の「おおかみ」の語源は「大神=おおかみ」からで
あります。
昔には日本狼という種がいて、山の神の使いとして信
仰されていました。狼は神に擬される動物の中でも、真
に神に近いもの「真神→大口の真神」と呼ばれました。
狼狽(ろうばい)
1.悪人(狼とそれに頼りながら、一緒になって悪事をなす
狽のことを指す。)
2.窮地に追い込まれる。
3.あわただしいさま。
4.共謀して悪事を働くこと。ぐるになる。
5.困り果てる。うろたえる。
㊟狼狽には二説ありました。
狼狽は二体一対の架空上の動物で、前の「狼」は
前脚が長く、後ろの「狽」は後ろ脚が長く、二体一対
でないと倒れてしまいます。その姿が「慌てふためく」
様子となりました。
もう一説は「狽」だけが狼に似た架空の動物で、狼に
もたれかかり、狼がいなければ歩けないと。
狼虎(ろうこ)
狼と虎で、道に反して冷酷で欲深く、他を害する者の
たとえ。
狼顧(ろうこ)
恐れて後ろを振り返る。
(狼のように体を前に向けたまま、首だけを振り返る動作)
狼藉(ろうぜき)
乱雑に散らかったさま。
(狼はしいて寝た草を立ち去るときには乱雑にして、
寝た痕跡を無くすことから。
ただ、別説では、この場合の「藉」は乱雑の意味であり、
狼が草を敷いて寝た跡の乱雑さからと。こちらのようで
すね。)
2.無謀で評判が悪いことのたとえ。
誤字脱字ご容赦ください。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社) 字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版
