ことばの物語
≪ありがたしー有・難≫
〖ありがとう〗
感謝の気持ちを表す言葉ですが、語源は「有難し」であります。
「なるほど」とうなずけますね。「めったにないこと」、それはそれは
有難いことであります。その気持ちが大切と言っているんですね。
「有難し」は、もとは神仏に感謝を示すときに使われていたもの
であります。めったに起らないようなことは、神仏の力によるもの
だとして「ありがたし」と手を合わせたものであります。
これが江戸時代に入って、一般的な感謝を表すようになったもの
だそうです。
では、その前には何といっていた?
「かたじけない」、漢字で表記すると「忝い・辱い」で、時代劇で武士
が使っていますね。これは他に「恐れ多い・もったいない」
「面目ない」「感謝する」という意味を含んでいます。
♪ 有難や有難や~~
金がなければ くよくよします
女に振られりゃ 泣きまする
腹が減ったら おまんま食べて
寿命尽きれば あの世行き
有難や有難や~~ ♪
♪ 近頃地球も 人数ふえて
右も左も 満員だ
だけど行くとこ 沢山ござる
空にゃ天国 地にゃ地獄
有難や有難や~~ ♪ 作詩 浜口庫之介
「有難し」の反対語は? 「あたりまえ」。
〖当たり前〗
語源は「当然」に当てた字で「当前」からとする説と、次の説
がありました。
<分配された分「分け前=取り前」らで、共同作業の一人当たりの
当り前「」の権利というところから。>でありますと。
「眼横鼻直」これ道元の言葉として有名ですが、
「同然のことを当然として受け入れる」、これがいかに難しいか
というと、我々はいろいろな欲望や疑念にとわれて、目がかすん
でしまっているからであります。
果たして「当然」と胡坐をかいていていいのでしょうか。
いま「当たり前」と思っていることが、本来の「当たり前」でなく
なっていることに、改めて気づくことが必要なのかも。
「当たり前、当たり前」を念仏の如く唱えて、本来の「当たり前」
を祈念すること、大切かもね。
有ーある・ユウ
字の成り立ちは「又=手で枠を構えたさま」に「月=肉付きーにく」
で、出で肉を抱え込むさまで、空間中に一定の形なしていると
いうこと。
有耶無耶(うやみや)
日本の用法で、そうであるのか、ないのか、はっきりしないさま。
有象無象(うぞうむぞう)
・仏教で、宇宙に存在する有形無形のすべてのもの。
・日本では、多くのくだらないものという意味で用います。
有頂天(うちょうてん)
・仏教で、形ある世界の最高位に位置する天。
(天は天人の住む世界で、この上に極楽があります。)
有漏(うろ)
「漏」は煩悩のことで、迷いの世界にいること。またその人。
有漏路より無漏路へ帰る一休み
雨降らば降れ 風吹かば吹け
(一休)
難ーかたい・むずかしい・ナン
字の成り立ちは「災いにあって祈る巫女」に「隹=とり」で、
災いに即して鳥を供えて祈るさまから、かたい・わざわい
の意味を表す。
【字義】
・かたい・むずかしい・・・しにくい。⇔易
・固い意味から難しいこと。→困難
・なやむ・・・すらすらとうまく運ばない。
・わざわい。苦しみ。
誤字脱字御容赦ください。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社) 字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
