ことばの物語
≪たいくつー退・屈≫
〖退屈〗
ひまであきあきすることですが、もとは仏教語からで、意味は
全く違っていました。「退屈」の字面からしてわかりますよね。
「屈して退く」、おじけづくんですね。
では、何に退屈するんでしょうが。
仏道修行の者が陥る三つの退屈。
1.菩提広大屈
悟りの広さに退屈する。
2.万行難修屈
限りない修行に退屈する。
3.転依難証屈
劣った法を転じて、優れた法の依りどころを証するのが
難しい。
修行の途中でこれらを克服することを「三種磨」というそうです。
(参:暮らしのなかの仏教語小辞典/筑摩文庫)
<パスカルいわく>
・人間は部屋にじっとしていられず、必ず気晴らしを求める。
退屈というのは、人間が決して振り払うことのできない病
である。
・部屋にじっとして入れないから、人間は不幸を招く。
小人(しょうじん)閑居(かんきょ)して不善を為す
小人物 は一人で閑(ひま)していると、善からぬことをする。
英語圏のことわざ
・何もしないでいると悪事を働くようになる。
・悪魔はすべての人を誘惑するが、ひまな人間は悪魔を
誘惑する。
退屈は貪欲よりも賭博好きを、渇きよりも酔っぱらいを、絶望
よりも自殺を多く生み出した。 (コルトン/アメリカ)
自分自身とつきあう術を心得ている者は、退屈を知らない。
(エラスムス)
退ーしりぞく・しりぞける・タイ
字の成り立ちは「艮=とどまりがちの足」に「辵=足の動作」で、
足がとどまって進まないことを示す。下がって低いところに落ち着く
の意を含む。
退院(たいいん)
入院していた患者が、病気が治って病院からでることですが、
もとは、僧侶が寺を出て、一般人に戻ること。(=還俗)
退隠(たいいん)
職務をやめて、世間づきあいも避けて隠居する。
退嬰(たいえい)
後へ引きさがって、進んで物事をしようとしにいこと。
(嬰は一定の枠で囲んで、外に出ようとしないこと。)
退思(たいし)
その場を離れて、いろいろと考えること。
不退転の決意
堅い意志で何事にも屈しないこと。
屈ーまげる・かがむ・クツ
字の成り立ちは「尸=しり」に「出=つきだす」で、からだをかがめて
しりを後ろに突き出すことを示す。尻を突き出せばからだ全体は
くぼんでまがることから、かがんで小さくなるの意となる。
屈起(くっき)
そびえたつ。
屈強(くっきょう)
意地が強く、人に屈しない。がっしりとして力強い。
屈指(くっし)
指を折って数えるですが、これから多くの中から指を折って数えら
れるほど、優れていること。
屈辱(くつじよく)
相手に抑えられて、恥ずかしめを受けること。
服従して従う。
屈節(くっせつ)
節義・主義をまげる。
屈託(くったく)
日本で用いられる言葉。
①こだわってくよくよ心配する。
②飽きで嫌になる。
③何もすることなくて苦しむ。
誤字脱字御容赦ください。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社) 字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
