ことばの物語 ≪むつきー睦月…1月1日≫
〖睦月〗
「睦月」といううのは、陰暦の和風月名で「睦み合う月」、つまり
この新年を親戚一同が集って仲良く祝う月ということであります。
(疎遠になっている親戚さんを思い浮かべるのもいいかもね。)
1月1日を元日と言いますが、この日は今年の歳神をお迎えする
日であります。門松はそのための神様の依り代であります。
ちなみに、元旦というと、元日の日の出の頃を言ったもので
あります。
睦ーむつむ・むつまじい
字の成り立ちは「目」に「坴=穆に通じ、やわらぐの意味」で、
目がおだやかの意味で、転じて、むつまじいの意味。
(補)
異字体は「土のところが冏(明り取りのまど)」で、人が寄り
集まって、明るい雰囲気を作る状態を示す。これから仲良
く一緒に集まること。
元ーもと・はじめ・ガン・ゲン
字の成り立ちは「ー」に「兀=人体」で、冠を着けた人の象形、
かしらの意味。
(補)
元は丸・円などと同源で、根源に「丸い」という意味がある。
頭の人体的関係から「かしら」の意味、始めの意味、物事
のもとの意味をあらわす。「ー」は頭を表している。
<初詣>ー1月1日(主に3日まで)
1位 明治神宮 2位 成田山新勝寺 3位 川崎大師
除夜の鐘が鳴っている時は、本来「年越詣」となると。
【四計】
一年の計は元旦にあり
一日の計は晨(あした)にあり
一生の計は勤にあり
一家の計は身を修めるにあり
<書初め>1月2日
書の上達を願いながら、一年の抱負を書きます。
平安時代の宮中の「吉書の奏」に由来し、これは
改元、年始などの物事が改まる節目に、天皇に
慶賀したためた書を奏上したところからであります。
書初めは若水で墨をすり、その年の恵方(歳徳神の居場所)
に向かって書いたものであるようです。
書き終えた書は、1月15日の「どんど焼き」と一緒に燃や
します。
【若水】
元日の朝に初めて汲む水で、井戸から汲んで神棚に
供えるものを指しました。若水は邪気を除くと信じられて
いました。
<七草の節句=人日>ー1月7日
七草粥の日としてしられますが、本来は陰陽五行説による五節
句一つ。陰陽では奇数は陽とされ、1~9までの奇数の重なりの
日を節句と言います。ただ、1月1日は元日という特別の日とさ
れ、1月7日を最初の節句とし、「人日の節句」と呼ばれます。
この時に食されるのが七草粥であります。
節句は古代中国の暦で、年中行事を行う季節の節目。
【五節句】
1月7日 人日(じんじつ) (和名) 七草の節句
3月3日 上巳(じょうし) 桃の節句
5月5日 端午(たんご) 菖蒲の節句
7月7日 七夕(しちせき) 棚機の節句
9月9日 重陽(ちようよう) 菊の節句
【焚き方による粥の種類】
全粥ー重湯がない(米の5倍の水)
七分粥ー全粥7、重湯3(米の7倍量の水)
五分粥ー全粥5。重湯5(米の10倍の水)
三分粥ー全粥3、重湯7(米の20倍の水)
<鏡開き>ー1月11日頃(地方によって多少異なると)
歳神様が宿った鏡餅を槌で砕いて食べます。これはその霊力で
一年間の無病息災を願うもであります。これを家長が行い、家族
に分け与えます。
もとは武家の儀式であったようで、「切る」は切腹に通じるとして
「開く」というようになったもので、これが一般にも広まったといわ
れています。(鏡は円満を意味し、開は末広がりの意味だそうです)
ちなみにお年玉の語源は、この餅を子供たちに与えたところから
で「御歳魂」ということらしいですよ。
<どんど焼き>ー1月15日
小正月の1月15日に、正月飾りを焼き、歳神様をお見送りします。
【初夢】
1月2日に見る夢で、一富士、二鷹、三茄と言われるのは
徳川家康が晩年を過ごした駿河(静岡)の名物に由来する
もので、特に気にするものではないですね。
昔は七福神の絵を枕の下に敷いて寝ると、吉夢をみると
いう風習があったと。
誤字脱字御容赦ください。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社) 字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
