ことばの物語
≪もうー孟≫
「孟(かしら・もう)」は月始めを表す漢字ですが
字の成り立ちは「子」に「皿=萌えに通じ、めばえ、
はじめ」で、始めの子の意味であります。
殆どが人名に使われのす。まあ、日本の太郎のよう
なものですかね。漢和辞典を調べてみると、孟子、
孟浩然、孟嘗君、孟宗と人名が半分程度占めていま
した。
というところで、今日はこれらの者たちについて調
べてみます。
孟子
儒教は「孔孟の教え」といわれるように、聖人の孔子
に次ぐものと言うことで「亜聖」とも称されます。
性善説で知られます。人は生まれながらに善である。
その根拠が四端であると。
四端は、人が生まれながらに持っており、修養によっ
て仁・義・礼・智の四徳になるべき心のこと。
惻隠(そくいん)~他者を見ていたたまれない心ー仁
羞悪(しゅうお)~不正や悪を憎む心ー義
辞譲(じじょう)~譲ってへりくだる心ー礼
是非(ぜひ)~正しいことと間違っていることを判断す
る能力ー智
学ぶことによって、これらを伸ばし、聖人のような偉
大な人間になれるとします。
孟子の逸話で有名なのが母親の話ですね。
孟母三遷
孟子は幼い頃、墓地の近くに住んでいた。そうすると、
孟子は葬儀のまねをするようになった。そこで、母親
は引越ししますが、其処の近くに市場があり、孟子は
商人のまねをするようになった。そして、学問所の近
くに引っ越すと、学問に志すようになったと。
「学ぶ」は「真似ぶ」の見本のようなお話ですね。
孟母断機(もうぼだんき)
「機=はた」は機織り器のこと。
孟子が学問を途中でやめて帰って来た。母は機を織っ
ていたその織物を刀で切り落とし「途中で学問を辞め
ることはこのようなものだ」と諫めました。
孟浩然(もうこねん)
中国の盛唐時代の詩人。
有名な詩が 『春暁』(しゅんぎょう)
春眠暁を覚えず 処々に啼鳥を聞く
夜来風雨の声 花落つること知んぬるぞ多少
孟嘗君(もうしょうくん)
戦国四君の一人。一芸に秀でた客(食客)を数千人抱え
ていたという。
鶏鳴狗盗の逸話で知られていますね。
<斉の孟嘗君は君子として周辺諸侯に知られていま
した。そこで秦の昭襄王は宰相にしたいと招きます。
進言する者がいました。「宰相にしても斉のものであ
るから、斉を優先するでしょう。また、このまま返す
と秦の脅威になりかねません」と。
孟嘗君は捕らわれの身となります。そこで、返しても
らうように昭襄王の愛妾にとりなしを頼みます。交換条
件に狐白裘(最高級の毛皮)を求めます。狐白裘はすで
に秦王に献上してしまっていました。そこで、犬のよ
うにすばやい盗みにたけた食客が、秦王の蔵から盗み
出します。めでたしであります。そして、帰郷を許さ
れます。秦王の気持ちが変わらないうちにと、さっそ
く帰途に就きますが、夜間の函谷関の門はしまってい
ました。そこで、鶏のものまねが得意な食客が、鶏の
なく声をまねるとと勘違いした門衛が開門します。
めでたし。めでたしでありました。>
孟宗(もうそう)
孟宗竹の語源の由来の人物。母の好きな筍を、まだ目
を出していない真冬に採りに竹やぶに行きます。懇願
しながらあちこちと探し回ります。そうすると、筍が
生えてきたという故事からであります。
今日一日幸運でありますように。
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
ことばの事典(講談社/日置昌一・日置英剛)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
