ことばの物語
≪国字の鳥ー秋刀魚・松魚・
柳葉魚・鰯・鱈・鯱・鱚・鱩≫
国字というと、日本で作った漢字のことですね。
秋刀魚(さんま)
秋刀魚が出ると按摩が引っ込む
「さんま」と「あんま」の語呂合わせとなってま
すね。
さんまの出回る秋になると、涼しくなり食欲も増
し健康を取り戻し按摩にかかる人がいなくなると。
字は「秋に獲れる刀のような形の魚」であります。
和訓「さんま」の語源は「狭(細い)真魚=さまな」
からだそうで、古くは狭真魚で、秋刀魚は大正時
代以降から使われ始めたようです。漢語の漢字は
見当たりませんでした。
漢語で「鰍」という字がありましたが、これは
「どじょう・いなだ・かじか」のことで、「秋=シ
ュウ」というどじょうのなき声からだそうです。
松魚(かつお)
漢語で「鰹」とかきますが、これは身が堅いところ
からで和訓の「かつお」も「堅魚」で同じ発想です。
松魚という表記は、鰹節の切り口が松の年輪に似て
いるところからであります。
柳葉魚(ししゃも)
和訓の「ししゃも」はアイヌ語の「ススハム=柳葉」
からだそうで、昔神様が川に落ちて流れる柳葉をか
わいそうに思い、魚にしたという話しと、
食糧に窮する人間の為に、柳の葉を水に流し魚にし
たものという伝説からであります。
ししゃもはキュウリウオ目とあり、これは胡瓜にに
た臭いがするところかららしく、この仲間には他に
あゆ、しらうお、わかさぎがいます。
鰯(いわし)
字は「陸に揚げるとすぐに弱って腐りやすい魚」と
いうところから。
和訓の「いわし」は「よわし」が変じたもの。もう
一説は「卑し魚(貴族は食さなかった)」からで「賤し」。
漢字はどうみても「よわし」からですね。
鱈(たら)
字は「雪のように白い魚」というところから。
和訓の「たら」は「たらふく=腹いっぱいに食べる魚」
で、食いしん坊の大ぐらいの魚なんですね。
鯱(しゃち)
鯱は伝説上の生き物で、尾を常に空に向けていて、体は
魚で頭が虎ですと。家屋の屋根瓦で見かけますが、
これは火災からの守り神とされ、水を口から葺き出し
火を消すといわれています。
鱚(きす)
字は「喜=き」の音を借りたもの。
和訓の「きす」は「岸」からで、海岸近くで多く見か
けるところから。
別説では、味が淡泊なところから「潔し」。すぐに群
れを成すところから「帰す」ですと。
鱩(はたはた)
和訓の語源「はたはた」は雷の擬声語「ゴロゴロ」の
古語「ハタハタ」からで、雷のよく鳴る11月ころに取
られるところから「雷魚」ともいわれます。
波多波多の表記は、荒波の時に漁獲に行くことが多い
からと。
漢語にない魚の字が多いのは、魚を多く食べて来た
日本の証でありますね。
漢字は調べていくと、色んなことが隠されていて大変
面白いですよ。
今日一日幸運でありますように。
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
ことばの事典(講談社/日置昌一・日置英剛)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
