ことばの物語
≪きー気Ⅱ≫
気質ーかたぎ
ある職業や身分などに特有の気性のこと。
昔かたぎ、職人かたぎなどのように使われます。
和訓の「かたぎ」は「模=かたぎ」からで、模
は「形木」からと、三段論法みたいな流れにな
ります。
形木は模様や文字を彫った版木のことで、布や
紙に当て染め付けるのに用います。
これから派生して手本「模」となり、さらに身
分や環境、職業などを示す語に付して独特の類
型的な気風(気質=きしつ)を言うようになった。
気の元の字は氣で、字の成り立ちは「气=雲の流れ
る形」に「米=穀物」で、生命の源泉である雲気を
養うことをあらわしたもの。
英気(えいき)
英気を養うなんて言いますが、英気はいきいき
と働こうとする気力、元気のこと。
元気(げんき)
体調がよく健康であることですが、元は
「気の元」で万物生成の根本的な生気のこと
を言ったものでありました。
儒教では太極に呼応する概念で、太極は易の
生成論で、陰陽思想と結びついた宇宙の根源
のことであります。
これが日本に入ってきて減気(気は病気でそれ
が減る)と重なって、健康になるという意味に
使われるようになりましたと。
鬼気(きき)
恐ろしくて不気味な気配。それがいっぱい
になる。
「鬼気迫る○○」と使われる場合は、恐ろし
いほど真剣なさまという意味であります。
気の利いた化け物は引っ込む時分
長居したり、地位に長く居座っているものに
対して、そろそろ引き下がるべきと促す場合
に用いられます。
化け物でさえ気を利かせて引き下がる時分だ
よと。これが分からない人が多いですね。高
齢で両側から支えられないと動けなくなって
も、社長として居座っている人、多いですね。
居は気を移す
地位や立場、環境などは、その人の気持ちを
変化させるということ。
意味合いは少し異なりますが、考えに煮詰ま
ったりした場合は環境を変えよといいます。
旅もそうですね。
力山を抜き気は世を蓋う(力山蓋山)
きわめて意気盛んなこと。
垓下の歌 項羽
力は山を抜き 気は世を蓋う
時に利をあらず 騅(すい)逝かず
騅逝かざる 奈何すべき
虞や虞や若(なんじ)を奈何せん
騅はあしげの馬で、項羽の愛馬。
虞は項羽の愛妾で、彼女の流した血の跡から
咲いたのが虞美人草であります。
垓下の戦いで、楚の項羽が漢の劉邦に負け、約
五年に亙る楚漢の戦いが終わります。四面楚歌
という言葉は、この戦いから生まれました。
今日一日幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
ことばの事典(講談社/日置昌一・日置英剛)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
