ことばの物語
≪えだー支・枝・条・朶≫
落花枝に還らず 破鏡再び照らさず
景徳鎮伝灯録には
「破鏡重ねて照らさず 落花枝に上り難し」とあ
りますと。
これは、一度壊れたものは再び元通りにならな
いということで、特に別れた夫婦は復縁すること
はないということであります。
ポイントは破鏡で、破鏡は離婚を意味します。
<二人が離れて暮らさなければならなくなった
時(単身赴任のようですね)鏡を半部に分けて
持つことにしました。時が経ち、妻に愛人がで
きると、彼女の持っていた鏡は鵲(かささぎ)に
なって夫のもとへ飛んで行ったといいます。そ
して、夫は事の成り行きを知りました。>
なぜ、鵲なのでしょうか?
たぶんですが、鵲は七夕の日に天の川に連な
り、橋になると。
これから、縁結びの鏡の裏には鵲が描かれる
といいます。
伝灯録はインド、中国の歴代の禅僧の伝記と系
譜をきしたものであります。
支ーえだ・ささえる・つかえる・シ
字の成り立ちは「竹や木のえだを手にする形」
で、ささえる、枝をはらう、わけるの意味。
支葉(=枝葉)
枝と葉。また子孫などをいう。
支解(=枝解)
両手両足をばらばらにすることで、昔の残酷な
引き裂きの刑ですね。
手足を牛に縄でくくりつけ、四方に同時に引か
せるシーン、時代劇に出てきますね。
支那(しな)
中国の旧称。インドで中国をこう呼んだのが
始まりで、秦を語源としする音訳であります。
仏典の翻訳などで逆輸入されたんですね。
枝ーえだ・シ
「支」に「木」を付したもの。
枝を矯(た)めて花を散らす
小さな欠点を直そうとして、大事なものもだ
めにしてしまう。
鳩に三枝の礼あり 鳥に反哺(はんぽ)
の孝あり
鳩は親が止まっている枝より三枝下に止り、
烏は自分が雛のときに養われた恩返しに、
年取った親の口に餌を含ませてやるという。
百丈の木に登って一丈の枝より落ちる
徒然草『高名の木登り』にこの話があります。
<高名の木登りと言いし男、人をおきてて高
木に登らせてこずえを切らせしに、いと危ふ
く見えしほどは言うこともなくて、降るるときに、
軒たけばかりになりて「過ちすな心して降り
よ」と・・・>
失敗は簡単な所になって必ず起こるもの。つ
まり、安心して気がゆるんだ時に起きやすいと
いうこと。
条ーえだ・すじ・ジョウ
もとは「條」につくり「木」に「攸=長いすじ」で、
えだの意味。特に小枝のことを表す。
条風(じようふう)
東北から吹いてくる春風で、万物を伸ばし育て
る風。
風条を鳴らさず
世の中が平和で落ち着いていること。
条は小枝のこと。
「風、条を鳴らさす 雨 塊を破らず」
朶ーえだ・しだれる・ダ・タ
「乃=たるんだ弓の形」に「木」で、木の枝が垂
れる、しだれるの意味で、花のついた枝のこと。
朶頤(だい)
頤を動かして食べようとするさま。転じて、強国
が弱国を征服しようとするさま。
耳朶(じだ)
耳が垂れ下がるで、みみたぶのこと。
朶雲(だうん)
垂れ下がった雲。他人からの手紙の敬称。
今日一日幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
ことばの事典(講談社/日置昌一・日置英剛)
