ことばの物語
≪あわー泡・沫・粟≫
行く川の流れは絶えずして しかももとの水にあらず
淀みに浮かぶ泡(うたかた)は かつ消えかつ結びて
久しくとどまりたる例(ためし)なし
鴨長明の『方丈記』の冒頭ですね。
泡ーあわ・うたかた(当て字=泡沫)
「うたかた」という場合、特に儚いものの喩として用
いられます。
語源を調べてみました。
「浮玉形=うくたまかた」、「空形=うつかた」などで、
他にもあり、はっきりとはしていないようです。
「うたかた」、詩的表現としてとても美しい響きがあ
りますね。
「泡」の字の成り立ちは「氵=水」に「包=つつむ」で、
空気を包み込んでできたあわの意味。
泡影(ほうえい)
あわとかげで、はかないことのたとえ。
泡泡(ほうほう)
水のわきでるさま。水の流れるさま。
泡を食う
突然のことにうろたえる。
口角泡を飛ばす
激しい調子で、議論をする様子。
沫ーあわ・しぶき・マツ
字の成り立ちは「氵=水」に「末=木の先端」で、飛
び散った水の先端、しぶきの意味。
字義は、あわ(泡沫)・しぶき(飛沫)・つばき(唾)・汗
の流れるさま>。
ゆばな
お茶を入れたときに上に浮く泡。厚いのを餑(ぼつ)、
薄いのを沫というと。
粟ーあわ。ゾク
字の成り立ちは「西=ばらばらになる」に「米」で、
小さくてばらばらした穀物をあらわす。
粟散(ぞくさん)
粟をまき散らしたように小さいものがたくさん散る。
粟散国というと、日本国のことをいうと。
粟膚(ぞくふ)
とりはだのこと。→肌に粟を生ず
鶴の粟、蟻の塔
鶴が一粒ずつ粟の実をついばみ、蟻が砂を一粒
ずつ運んで、蟻塚を築くように少しずつ積み重ね、
たくわえること。
金湯の固きも粟に非ざれば守らず
どんなに守りの固い城でも、食糧がなければ守り切
れるものではない。
「金湯」は「金城(金属の城)湯池(熱湯の堀)」の略。
兵糧攻めが長くなると、木の皮を食べ、土を食べ・・・。
今日一日幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
