ことばの物語
≪あらいー荒・粗・疎・暴≫
荒神様というと、台所、竈の神様であります。
屋内に祀られるのを「三宝荒神」、屋外に祀られ
るのを「地荒神」と。
なぜ台所の神さんが荒ぶる神なんでしょうか。
小さい頃、竈に足を掛けると「罰が当たるよ」とし
かられ、竈の神さんは恐ろしい神さんだよと言わ
れことをかすかにきおくしています。これはたぶ
ん、火を扱う所であるからのように思います。
仏教の「三宝」は仏・法・僧のことで、神仏習合
により守護神となり、その姿が憤怒の相である
ところから荒神と言われるようになったようでも
あります。
ギリシア神話での竈の神はヘスティアといっ
て、オリンポス十二神の一柱として崇められて
います。
「荒」の字の成り立ちは「草」に「亡=ない・なく
なる」に「川」で、草も生えていない何もない川で、
実りの物がなにもない、むなしいの意味。
粗ーあらい・ソ
字の成り立ちは「米」に「且=疏に通じ、はなれ
る」で、ねばりっけのない米、あらいの意味。
粗は精の反対語で、大ざっぱ、あらい。
荒は穏の反対語で、勢いが激しい、あらい。
粗衣粗食(そいそしょく)
貧しく質素な暮らしの形容。⇔暖衣飽食
疎ーおろそか・うとい・あらい・まばら・ソ
字の成り立ちは「疋=左右相対した足で、間を
あけて離れるの意」に「束」で、束ね合わせた
ものを一つずつ離して間をあけること。
疎影(そえい)
月光などに照らされてまばらに映る影。梅の別名。
疎影が梅? これは北宋の林逋の詩からと。
その詩から出来たのが暗香疎影という四字熟語
で、どこからともなく漂ってくる良い香りのことで、
その香りが梅の花の香である。
疎記ー箇条書き 疎忽=粗忽ーそそっかしい
疎狂ーそそかしくて常軌を逸している
疎疎ーさばさばとしたさま・まばらなさま
天網恢恢疎にして漏らさず
天罰は免れない。
天が張り巡らした網の目は疎いが、悪人は一人
も漏らすことなく処罰する。
暴ーあらい・あばれる・あばく・ボウ・バク
字の成り立ちは「日」に「動物を裂いた形」に「廾
=両手」で、動物の毛皮を裂き開いて日にさらす
さまから、日に当てて乾かす意味を表す。
暴虎馮河(ぼうこひょうが)
虎を手打ちにし黄河を歩いて渡る。
血気にはやって無謀な行動をする喩。
暴を以て暴に易(か)う
乱暴な手段で他の乱暴をおさえつけるようなこと
をすること。
悪を征するために悪を行う。
今日一日幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
