ことばの物語
≪いとがしら(幺頭)Ⅱー幺部
幻・幽・幾≫
幽霊の姿見たり枯れ尾花
日本の幽霊には足がありません。これは江戸時代
の円山応挙の幽霊の絵からとあります。ただ、足を
お持ちの幽霊さんがお一方おられます。
夜な夜な「カランコロン・・・カラカコロン・・・」・・・と下
駄の音。
そして「新三郎さま~新三郎さま~~」と、哀しくも
切ない呼び声が・・
「牡丹灯籠」のお露さんであります。
中国の怪奇物語『剪灯新話』にある「牡丹燈記」を
もとに創作された三遊亭圓朝の怪談噺で、一躍
有名になりました。
幽ーかすか・くらい・ユウ
字の成り立ちは甲骨文字では「火」に「幺幺=かす
か」で、火の光がかすかに暗いの意味。篆文で
変化して「山」となり、山中がほのぐらくかすかに
しか見えないとなります。
別の字書では「幺幺=ねじれた糸束」に「火」で、く
すべて黒色にすることを表し、その色が奥深く暗
いところから、奥深くかすかなこと、深遠で微妙な
ことを意味します。
幽客(ゆうきゃく)=幽人
隠者。蘭の別名。
蘭の別名となったのは、中国の宋の時代に張敏
叔という人が、花を客人にたとえたところからであ
りますと。ちなみに、牡丹は賞客、梅は請客、菊
は寿客、蓮は静客、山茶花は雅客、芍薬は近客
だそうです。
幽界(ゆうかい)
黄泉、黄泉路、あの世、冥界。
和訓の「よみじ」は、「夜見」。暗きところからの意
味から。
幽鬼(ゆうき)=幽魂
死者の魂。
中国では鬼は魂のことであります。
幽霊(ゆうれい)
死者の魂で、日本では成仏しないでこの世に現
れた姿。
ちなみに、化け物は狐、狸、猫などが化けて怪
しい姿をしたもの。
妖怪の類ですね。
幾ーきざし・いく・キ
字の成り立ちは幺幺=こまかい糸」に「戍=まも
る」で、戦争の際に守備兵の抱く細かな心づか
いのさまから、かすかの意味や、あやしいの意
味を表す。
この解釈は素晴らしいですが、どうしてそうなる
のか?
もう一つの字書には、「幺幺=細かくかすかな糸」
に「戈=ほこ+人」で、
人の首にわすかで戈の刃が届くさまを示すとあ
りました。
「きざし」の意味を解釈している字書によると、
邪悪なものを祓う力のある糸飾りをつけた戈を
用いて、たずね調べることですと。
(まるでタウンジンクでありますね。)
幾を知るは其れ神か
物事をきざしのうちにそれと察知する人は、神
のようにさとい人である>。
幾微(きび=機微)
きざし。容易に知りがたい微妙な事柄。
今日一日幸運でありますように
2018.3掲載再考
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
