ことばの物語 ≪みわくー魅惑≫
魔物はこの世のものとは思えない美しさで、人を惑わします。
魅惑とは、何とも得体のしれない力で人の心をひきつけ、惑わすことをいいます。その謎は「魅」についている「鬼」にあります。
【魅】ーすだま・ミ
魅力の「魅」には「鬼」がついています。
「鬼」は「大きな頭部を持つ人の象形」で、この世のものとは異なることを示し、死人の魂、亡霊を表す。これは不思議な力のあるものと信じられて、人に害を与える物の怪、ばけもののことであります。
「魅」はそれに「未=はっきりとわからない」で、何とも得体の知れない
魔力で人を惑わす妖怪のこと。
別の字書によると、魅の元の字は「鬽」で、「彡」は「長い髪の毛」
のこと。
長い毛の魔物は年老いた獣や鳥らしく、これらは化けて人を惑わすという。
どういうわけか、絶世の美女に化けることが多いようで、惑わされるのは男らしい。
九尾の狐
天界より遣わされた神獣のようであります。
狐は五十歳にして夫人の姿に化け、百歳で美女に化け、千歳にして
天と通じ、天狐となると。
この天狐が天より遣わされたのが、『封神演義』第一回に出てくる
妲己(だっき)に化身した九尾の狐であります。
<仙界の長 鴻鈞道人は太上老君(老子)、元始天尊、通天教主の
三弟子に天命が下される。
「人界と仙界の境界があいまいになってきたゆえ、この二界の間に
神界を創り、仙人たるには根行の不足したもの、また人間たるもの
は優れすぎたものを選び神に封じよ」。・・・・・
軒轅墓に住みついた妖魔 千年の修行を経た狐狸精。
冀州侯 蘇護の娘 妲己の姿を借りて商(殷)の三十代目の王
紂王の後宮に入り込む。妹分の九頭雉鶏精と玉石琵琶精と一緒に
妖力によって紂王をたぶらかし、炮烙、酒池肉林などを作り、
商の国力を弱め滅亡に導いた。>(講談社+α文庫:封神演義)
九尾の狐は、中国を去ってインドのまかた国の王子の妃華陽夫人
となり国を傾け、日本の玉藻前となり鳥羽上皇をたぶらかし、正体を見破られて逃走して殺生石に姿を変える。その石を大きな鉄槌で破壊したのが玄翁和尚で、これから土木で使われる鉄槌を玄翁というと。
朝鮮では「クミホ」といわれ、人間になるために美少女に化身し、
男をたぶらかしその命を奪う。人間になるためには千人の臓器を
食らうことが必要と。
2017.8掲載再考
今日一日幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編
