ことばの物語 ≪ブタとイノシシー豚・猪≫
ブタはイノシシ科。イノシシを家畜化したものですから「犭=けものへん」ではなく「月=肉づき」で、食用の「豕=いのこ」であります。
豕は口のとがったイノシシの象形で、イノシシ、ブタなとの食用となる
動物をいうようです。「しし」は「獣」のことで、「猪という獣」の意味で、
鹿を区別して「鹿(か)のししという言い方もあるそうです。
和訓の「ぶた」の語源は「良く肥えてぶたぶたしたるもの也」からで、
肥えた人を「ぶたぶたしている」ということですから、豚のようだと
言ってるのではありませんね。
豚は室町時代に中国から将来されたと。
【豚】
「豕」に「月=肉づき」で、肉付きの良いぶた。
豚に真珠
新約聖書マタイによる福音から。
勝ちの解らないものに貴重なものを与えても意味がない。
豚は太らせてから食え
相手を潤わせておいて、恩を着せ強制的に奪え。
豚を盗んで骨を施す
大きな悪事の償いに小さな善行をする。
ブタもおだてりゃ木に登る
これ、会津地方の諺からだと。
【猪】
「犭=けものへん」に「者=充実する・太る」で、太ったいのしし。
「犭」に「豕」の方が、豚の野生でなるほどと思うのですが、こんな字は
ありませんでした。
猪のもとの字は「豕」に「者」で「豬」。豕がついています。これで
納得ですね。ちなみに中国では「イノシシ=野猪」「ブタ=家猪」と書く
そうです。
猪八戒
西遊記にでてくる三蔵法師の取経お伴。
前身は天の川を管理する水軍の指揮官天逢元帥。
そもそもが女癖が悪く、酔っていやがる月の嫦娥をおいまわし、
天界から追放される。その時、人に生まれ変わる予定が、どういう訳か牝豚の胎内に宿ってしまったのであります。
黒豚の人食い妖怪となりはて、悪さをしていたのでありますが、
観音様の慈悲で、猪悟能という名を与えられます。
2017.8掲載再考
今日一日幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編
