ことばの物語
≪非と櫛≫
「非」と「櫛」に何の関係が?
これ大いに関係ありました。
【非】ーそむく・ヒ
「非」は、左右に細かい歯が並んだ櫛の形でありますと。
「あらず」という意味は音を借りた仮借であります。
ただ、「背を向けて左右に開く形」とか「羽が左右に背
いた様」が一般的であるようです。
【櫛】ーくし・シツ・シチ
「木」に「節=竹のふし」で、節度よく並ぶ歯を持つくしの
意味。
≪非の意味と音を含む形成文字≫
俳ー(はい・わざおぎ・おどけ・たわむれ)
「人」に「非=そむく」で、常識に背いた変わったふる
まいをする。
おどけの意味。役者(喜劇役者)のことですね。
ちなみに「優」も役者のことですが、「人」に「憂=心
が沈んだしなやかな姿」で、しなやかにゆるゆると
ふるまう俳優の姿。
「憂=うれい」が示すように、こちらは悲劇役者です
ね。
もう一つの字書によると、「憂」は喪に服して、頭に
喪章をつけた人が悲しんでたたずむ姿とあり、「優」
は葬儀の時、死者の家の人に代わって神に対して
憂え申し、所作を演じたものであろうと。
扉ーとびら・ヒ
「戸」に「非=両側にあいそむく」で、左右に開くとびら。
悲ーかなしむ・かなしい・ヒ
「心」に「非=左右に分かれる」で、心が引きちぎられて、
いたみかなしむ。
排ーおしのける・おす・ハイ
「扌=手」に「非=左右に分ける」で、手で左右におし開く、
おしのけるの意味。(排除・排水など)
輩ーともがら・やから・ハイ
「車」に「非=ならべる(櫛の歯の並びですね)」で、戦争で
並んだ車の意味から転じて、ともがらの意味。
別の字書では「車が並ぶ、似たものが並ぶこと」と解釈し
ています。
こちらでしようね。
緋ーあか・ヒ
「糸」に「非=左右に開く」で、目が開かれるようなあざや
かな赤い布、あかの意味。
≪櫛の雑学≫
・櫛の語源は「霊妙な、不思議な」という意味の「奇(く)し」
「霊(くしび)」からで、櫛が呪術的な意味を持つのもこれ
からであります。
・古来日本では櫛は別れを招く呪力を持つとされ、今でも
櫛の贈答は嫌がれることがあります。
・魂の宿る頭に飾るものであるところから、自分の分身と
され、旅人に渡したという。
・櫛は「苦死」に通じるとされ、道におた落ちた櫛を拾うこ
とは「苦や死を拾う」となり、さけられました。
(参考 ウキディペディア)
今日一日幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房
