ことばの物語
≪月の桂ーつきのかつら≫
月の桂
今は昔の物語であります。
月には月宮殿がありました。かぐや姫もここに住んで
いたと。
月宮殿の庭には五百杖(約1500m)の桂の巨木があり
ました。
下界でむだんで仙法を学んだために、この桂の木を
永遠に伐り続けている男がいます。伐っても伐って
もすぐに生えてきます。なにせ不老長寿の木であり
ます。(伐っても生えてくることを繰り返すと、いつ巨
大化するのかな?たぶん、巨木を切り続けているん
じゃないかな。)
この男を桂男といいます。この男は大変な美男で、
桂男というと美男の代名詞になっています。
他に月に住んでいるものは、兎にヒキガエルがい
ます。
月兎(げっと)
月の別称でもあります。
月の中の兎の伝説は、インドの仏教説話「ジャータ
カ」からであります。
<猿と狐と兎の三匹の仲間が山中で、飢えで死に
そうになっている老人に出会います。猿は木の実
を集め、狐は川で魚を捕り、老人に与えます。一方
兎は何も獲ることができず悲しみます。そこで、兎
は二匹に頼んで火を焚いてもらいます。そして、そ
の中に身を投じ、わが身を捧げます。
じつはこの老人は帝釈天の化身で、兎の捨て身
の慈悲行を後世に伝える印として兎の姿を月に
留めました。>
中国の月の兎は不老不死の仙薬をついていると。
これは兎が仙境の西王母の部下で、仙薬作りの担
当であったところから。
日本の月の兎は餅をついています。これは満月のこ
とを「望月」というところからであります。
他に月には蟇蛙が住でいます。
これは中国の仙女嫦娥であります。
<嫦娥とその夫羿は罰せられて下界へ追放されま
す。
ある時、夫の羿は仙界の西王母から不老不死の
仙薬を嫦娥の分と二つもらってきます。これを嫦娥
は盗んで一人で食べて、月へと逃げてヒキガエル
になったと。>なぜヒキガエルかはわかりませんが、
この話の前に月に昇ったカエルの伝説があったよう
です。
月の満ち欠けは、このヒキガエルが月をかじるからと。
また、満月から新月の繰り返しが、嫦娥の不老不死
とつながっているようであり、月の兎が仙薬を作って
いるという話ともつながってきますね。
今日一日幸運でありますように
2017.6掲載再考
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房
