ことばの物語
≪やくー焼・焦・燔・焚≫
烽火三月に連なり・・・・(杜甫・春望の一節)
戦乱ですね。
こんがりとやけた肉は美味ですが、火加減を間違うと
まる焦げであります。
戦乱も火加減を間違うと、国がまる焦げになってしまい
ます。
焼ーやく・やける・ショウ
「火」に「高い」で、火を高かく上げる、やくの意味。
焼眉の急=焦眉の急
すておかれない。急場のこと。
眉に火が付いたんですよ。あわてますね。
焼きが回る
年を取ると頭に働きや腕前が鈍ること。
これは、刀の刃に焼きを入れて堅くすることからで、
この時に火を入れすぎると、かえって切れが悪くなり
ます。
焼き直し
少し手直ししただけで、変わり映えのしないものを、
新しく作ったもののように仕上げること。
こちらは、前に焼いた食べ物を焼き直して、
温めることをいったもの。
焼き餅
この場合の「やく」は「心を悩ます」の意味で、これか
ら嫉妬するという意味が生じます。これをしゃれて言っ
たもの。
別説は、焼いた餅のようなふくれっ面と。
焦ーこがす・こがれる・ショウ
「やく」といっても焦がす程度。
「灬=火」に「隹=多くの小鳥」で、小鳥をあぶる意味から、
こげるの意味。
焦心(しょうしん)
きをもむ。いらだつ心。
焦熱地獄
八大地獄の最下層の地獄。罪が一番重いんですね。
地獄行きの罪は殺生から始まります。
地獄の責め苦は、永遠に再生し続けそのたびに苦し
みを受けることであります。
等活地獄・・・罪状 殺生
自分に備わった鉄の爪や刀剣で互いに殺し合う。
また、地獄の獄卒に身を割かれる。
黒縄地獄・・・殺生+盗み
焼かれた鉄の地面に伏し、焼いた縄で打たれ、その
跡に沿って切り裂かれ、削ぎ落さりる。
衆合地獄・・・殺生+盗み+邪淫
ここには刀葉樹があります。
この木の上からなまめかしい美女か手招きします。
罪人はひっしでその木を登っていきます。手が届く寸
前に姿は消え、今度は下から手招きします。こうして、
必死て追いかけている間に全身血だらけになってし
まうのであります。
叫喚地獄、大叫喚地獄と続き、最後に焦熱地獄、
大焦熱地獄と落ちていきます。
燔-やく・あぶる・ハン・ボン
「火」に「番=種をまく」で、芝などをたいて、火の粉を
天に上げながら肉をやく意味。
燔燎(はんりょう)
天や祖先を祭るためにかがり火をたくこと。
燔肉(はんにく)
祭りに供える肉=ひもろぎ
焚ーやく・フン・ブン
焚火だ焚火だ落ち葉焚・・・・
解字からすると山火事になってしまいます。
「火」に「林」で、林を火でやくとなります。
焚灼(ふんしゃく)
火あぶりにする。非常に暑いさま。
非常に心を苦しめること。
焚書坑儒
秦の始皇帝か李斯の建言によって、儒教の経典を
もやし儒者460人を穴埋めにしたこと。
思想弾圧の代表的な出来事として名を馳せています。
為政者には必ず功罪があるものであります。
今日一日幸運でありますように
2017.3掲載再考
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
