ことばの物語 ≪柳・楊=やなぎ≫
楊柳(やなぎ)
楊は川やなぎ、猫やなぎ類の枝が固くて垂れさがって
いないもの。
「やなぎ」の和訓の語源は「矢の木」、「楊の木」からで、
この枝から矢を 作ったところからでありますと。
また、爪楊枝(つまようじ)も、このやなぎの枝を使ったも
のでありました。
一方、柳はしだれやなぎで、中国産であります。
柳
「木」に「卯=ながれる」で、長い枝が流れているような木。
しだれやなぎ。
柳暗花明(りゅうあんかめい)
柳がこんもりと茂っているところに桃の花が灯のように
明るく見える。
田舎の美しい春景色のさまをいったもの。
山重水複 路無きかと疑う
柳暗花明また一村 (陸游:宋)
柳営(りゅうえい)
将軍の陣営。日本では将軍家をいう。
漢の周亜夫が匈奴を討ったとき、細柳という地に陣し、
軍営の規律が取れていたので、文帝が大いに感動し
たという故事からであります。
柳眼(りゅうがん)
柳の新芽。細く眼に似ているところから。
柳眉・柳腰
美人の形容。
柳は緑 花は紅 (仏典 金剛経)
物事に自然の理が備わっているたとえ。
楊
「木」に「易=あがる」で、長く伸びあがる木で、かわ
やなぎ、ねこやなぎ。
多く水辺に生じ、春、葉に先立って黄白色の穂状の
花をつけ、枝は堅く垂れさがっていない。
楊貴妃
唐の玄宗皇帝の愛妃。
性は楊 名は玉環。中国の四大美女の一人で、傾国
の美女であります。
貴妃は側室の第一て正一品、大臣のトップクラス。
その上は正妻の皇后になります。
唐時代は貴妃の次が淑妃、徳妃、賢妃で四夫人とい
います。
李氏朝鮮では第一等が賓で正一品、次が貴人で従
一品。
楊玉環は玄宗皇帝の第十八子の妃でありました。それ
を玄宗が見染め自分の高宮の側室とし貴妃の位を授け
ます。
例により、貴妃の姻戚か台頭してくるのであります。
そして、安禄山の乱がおき、玄宗は都を捨てるのですが、
途中で兵士たちの不満が募り、原因である楊貴妃たちの
殺害を求めます。
ついに楊貴妃は玄宗の命を受け側近 高力士により首を
絞められ死んでしまうのであります。
楊朱岐(き)に泣く
楊朱が分かれ道をみながら、人の意志で右にも左に
も行けるように、人も生まれは同じでも、善人も悪人も
いる。なのにどうして、悪の道を歩むのかを悲しんだ
故事から。
楊震の四知
不正や悪事はいつか必ず知れるという戒め。
後漢の楊震が賄賂を出された時の話。
「誰も知る者はいませんからいいでしょう」と言われ
「天知る、地知る、我知る、子(あなた)知る」と答えたと
いう。
爪楊枝(つまようじ)
一本の楊枝の先端を使ったところからこの字を使い
ます。
ちなみに歯ブラシに使うのを「ふさ楊枝」といいます。
今日一日幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
201.1掲載再考
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
部首ときあかし辞典(研究社)
A・ビアス『悪魔の字典』(角川文庫)
これは使える!スピーチ引用名言辞典 モーリス・マルー編 PHP文庫
