ことばの物語
<賓ーまろうど・ヒン>
『賓』で連想するものは、賓頭盧(ひんずる)尊者。
阿羅漢さんの筆頭でありますね。
なぜこの方が知られているかというと、病気平癒
の羅漢さんとして親しまれています。
羅漢さんというと、修行僧の尊称で、自己の悟り
を目指します。大乗仏教の「他を救う」という思想
からほど遠いとされ、人気がありませんが、禅宗
では尊ばれています。
羅漢さんは「無学」とも呼ばれます。「無学」とは学
が無いではなく、「これ以上学ぶものが無い」とい
うことを仏教では意味します。
賓頭盧(ひんずる)尊者は、小乗の修行僧でありま
すが、仏様から他を救うように命じられ、大乗の本
願に合致するところから、特別の存在となります。
羅漢には、十六羅漢が釈迦の直弟子みたいなも
んで、釈迦の命によりこの世に留まり、仏法を守
ることを誓います。
他に十八羅漢、百羅漢があります。
賓頭盧は、悟りを開いて神通力を得ます。
よほどうれしかったんでしょうね。使いまくってい
るところを釈迦にとがめられ、人間界に留まり、
衆生の救済を命じられます。
中国に伝わった時には、文殊菩薩に従うものと
なり、日本に伝わり、尊者像を撫でると病気が
治るという風習が生まれます。
「撫仏(なでぼとけ)」とか「おびんずるさま」とし
て親しまれているそうです。
第一の辞書
<「賓」は、甲骨文字では「宀」に「人」で、外部か
ら屋内に足を入れた、まろうどの意味。
後に貝を付し、金品をかけて客と してもとな
すの意味を表す。>
この複雑な字が、何とも簡単な解字ですね。家と
人ですと。
第二の辞書
<「賓」は、屋根に豚の会意文字で、小屋の中
に豚を並べて入れた様を表す。くっつく、並ぶ
の意を含む。その下に貝(財貨)を付して、礼
物を持ってきて、主人と並ぶ客をあらわす。>
第一の辞書は、金品をかけてもてなすが、第二
の辞書は金品を持って来るとなりますが、現実
はこの二つが合わさりますね。
来賓は御馳走でおもてなしをし、客の方は祝儀、
手土産を持ってきます。
主客が並ぶという事ですが、それにしても喩えが
小屋に並んだ豚とはね。
賓位(ヒンイ)
客の座席。=賓筵(ライエン)
賓雁(ヒンガン)
雁の事ですが、雁は毎年秋に来て春に去る所から。
賓貢(ヒンコウ)
外国人が来朝してみつぎものを奉る。
賓主(ヒンシュ)
客と主人。
賓旅(ヒンリョ)
訪問者や旅人。
老を敬して幼は慈し賓旅を忘れること無
かれ
今日一日 幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
2014.11掲載再考
