ことばの物語
<育ーはぐくむ・イク 黎ーレイ・ライ>
<育>
小学校4年生の頃だったと思うんですが、先生が黒
板に「育」の字を書いて、「これを読める人」と質問し
ました。
誰も読めなくて、しばらくがやがやしていましたが、い
つもは目立たない、色の白い少し茶色い髪をした
○○子さんが、恥ずかしそうに手を上げました。先生
も「おやっ」という顔で、「○○子さん」。「はぐくむ」。
一同騒然としてがやがや。
「ヘエッ、すごいな」とあちこちから。
○○子さんは顔を真っ赤にして、嬉しそうに微笑んで
いました。
そんな記憶が、○○子さんの姿とともに思い出されま
す。
50年以上前の教室の一コマなんですが。
体育。これは明治期にPhysical Educationの
和訳としての日本の造語ですと。
最近はやりの食育、これも造語ですね。
若者の造語、またこんな言葉を造る人、同じですよね。
第一の辞書
<「育」は、甲骨文字金文字では女性が子を産む
形で、生む、はぐくむの意味。>
甲骨文字を見ると、昔は出産を座ってしたようですね。
第二の辞書
<「育」は、「子の逆さの形」に「月=肉」で、生まれた
子が 肥えて肉がついて太ることを表す。>
子供の逆さの形は、正常な姿で安らかに生まれるさま。
昔は、逆子は生きれなかったんですね。
愛育 可愛がって育てる
徳育
道徳の教育。教育の三本柱は、知育、体育、徳育。
道徳と言うと戦後忌み嫌われますが、これは人とし
ての道、人倫であります。国に命を捧げることでは
ありません。
天皇を神に仕立て、命を捧げさせること、国家的洗
脳を道徳とした、最も人倫から遠い鬼畜の教育で
ありました。
扶育 世話して育てること。
化育 天地自然が万物を生じ育てること。
覆育 天地が物を覆い育てていくこと。
<黎>
黎明、黎明期というと希望が見えます。
黎の字は、華麗に見える字ですが、ほの暗い意味
を持ちます。
暗闇があるから、光が希望として輝くなんていい
ます。
光りまでも吸い込んでしまうブラックホール。
ここには、極限まで圧縮されたもろもろのエネルギ
ーがあるそうですね。
それが破裂する。ビックバーンが宇宙を創世すると。
真っ暗な混沌に光が差し始める。
世界の始まり、黎明期であります。
第一の辞書
<「黎」は「黍=きび」に「利=隣に通じとなりあう」
で、隣り合う黍の意味から多いの意味を表す。
また粦に通じ、ほのくらい光、黒い、夜明けがたの
意味をあらわす。>
第二の辞書
<「黎」は「黍の略字」に「犂=すき」で、鉄の農具
のように浅黒い色。>
黎献(レイケン)
人民の中の賢者。
黎民=黎元
多くの民。黎は衆、元は善。
一説に、元は首、黎は黒で、冠を着けない黒髪の
ままの頭の者の意。
黎黒
くろい。
黎明
夜明け方。
黎はころあい。
一説に、黎は空の暗いことで、明と暗とが混じ
りあうこと。
今日一日 幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
2014.11掲載再考
