ことばの物語
<始ーはじまる・シ>
「千文字」の『始制文字』の『始』です。
始めよければ終わりよし。
これは英語圏の諺らしいですね。
この世界を作ったのは神でありました。
神が作った物ですから終焉はハッピーエンド?
旧約聖書『創世記』
<はじめに神は天と地を創造された。
地は形なく、むなしく、やみが淵の表にあり
神の霊が表をおおっていた。
神は「光あれ」と言われた。すると光があった。
神はその光を見て、良しとされた。
神は光を昼と名づけ、闇を夜と名づけた。
夕となり、また朝となった。第一日である。>
新約聖書『ヨハネによる黙示録』
<初めに言葉があった。
言葉は神と共にあった。
言葉は神であった。
この言葉は初めに神と共にあった。
すべてのものは、これによってできた。
できたもののうち、一つとしてこれによらないものは
無かった。>
とありますが、『創世記』は「はじめ」と仮名で表記さ
れています。
これは「初め」と「始め」の迷う処ですね。
始動とすれば「始め」となるからかな?
世界の始まり?最初に造ったのは?迷うところ。
寅さんの口上
<物の始まりが一ならば、国の始まりが大和の国。
島の始まりが淡路島。
泥棒の始まりが石川五衛門なら、ばくち打ちの始
まりが長範。助平の始まりが・・・・。>
長範は、サイコロの目の丁半をもじったもの。
丁は偶数、半は奇数。
長範は、平安時代の伝説上の盗賊で、牛若(源義経)
に討たれた熊坂長範のことですね。
というところで、ある辞書にもこの「初」と「始」は悩ま
しい問題で、悩んだら「はじめ」とひらがなで書いた
方が無難ですと。
「はじめに天と地を・・・」、確かにこれは、この世の
始動か、最初に作ったのは、悩ましい問題ですね。
始動の方の「始」は「これから物事が進みますよ」と
ドラマチックで、最初の「初め」は、「最初は何だった
んだろう」の興味に対する謎解きになるようでね。
第一の辞書
<「始」は「女」に「台=農具のすきの象形で、大地
を掘り起こして柔らかにする意味」で、子供から
思春期を迎え、おんならしい柔らかさを迎えた、
はじめの意味。>
この字は粋ですね。この字はきっと粋人が作ったんで
すね。
と思ったんですが、他の辞書は違っていました。
第二の辞書
<女性としての行為の起こり、つまりはじめて胎児を
孕むこと。
「胎」と最も近い。転じて、広く物事のはじめの意に
用いる。>
第三の辞書
<「台」は農耕の開始に当たって、祝詞を添えて神に
祈り鋤を祓い清める儀礼。人の出生は作物の生産
と対応するものと考えられ、女子が「ム=すきの形
」と「口=祝詞を持って出産の無事を祈ることを
「始」という。>
「はじめ」は、動詞としては「始め」を使い副詞として
は「初め」。
始終(ジシュウ)
終始。はじめからおわりまて。つねに。結局。
始祖(シソ)
初代の人。先祖。鼻祖。
鳥の始まりは、空を飛ぶ恐竜、始祖鳥であります。
始末(シマツ)
事の起こりから落着まで。顛末。
処分する。倹約する。
<成句>
始め有るものは必ず終わり有り
初めがあれば必ず終わりがある。生あれば死あり、
栄えあれば必ず滅びる。
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす
おごれる人も久しからず
『平家物語』
始めから長老にはなれず
→仏になるも沙弥から
始めきらめき奈良刀
奈良刀は、室町以降奈良付近で造られた粗悪な刀。
はじめのうちこそ光っているが、すぐ錆びれて切れ
なくなることから、最初のうちだけ立派に見えること
をいう。
始めに二度なし
物事は初めが大切で、その初めは一度きりでやり
直せません。
始めの一歩、末の千里
小さな努力の積み重ねが実を結ぶ。
始め半分
物事の成否は最初のやり方で大部分が決まる。
始めを慎みて終わりを敬(つつし)む
始めと終わりが大切ですよ。
始めを原(たず)ねて終わりに反(かえ)る
物事のはじめをよく探求し、そこから終わりまで筋道
を立てて考えきわめて、事の終始を残らず知ること。
始めは処女の如く 後は脱兎のごとし
[孫子]
始めは処女の如くにして、敵人戸を開き
後は脱兎の如くして 敵拒(ふせ)くに及ばず
2014.10掲載再考
今日一日 幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
