精霊たちーハガキ大ペン画  | ザーアートマンのブログ

ザーアートマンのブログ

ペン画の展示。絵のサイズはハガキ大です。定年後書き溜めた絵画をできれば毎日一枚展示していきます。


        

 

 

ことばの物語

  <Ⅱーヤ・よ・よる>

「千文字」の『珠稱夜光』の『夜』であります。

 

夜がまた来る 思い出つれて

   おれを泣かせに 足音もなく

    なにおいまさらつらくはないが

     旅の灯が遠く遠くうるむよ・・・・♪

小林旭歌う『さすらい』。

名作詞家 西沢爽の作詞です。

「思い出つれて」ここのところが気に入って、

独りの時に、何気なく口ずさんでいました。

 

ぬばたまの夜

ぬばたま」とは、などに掛る枕詞で、ヒオウギの黒い

実のことらしいですが、音が真っ黒って感じ、出てますよ

ね。

夕刻から明け方までが夜の時間帯。

この時の流れとは別に、夜という別世界が到来する

のであります。

事実、昔の人は太陽が落ちて暗くなるというよりも、

向こう側から、夜が訪れると思っていました。

これを「夜隠(こも)」と言うそうで、夜に包み込まれる

意味ですと。

そして、その世界は、人の活動を許さぬ神の世界とさ

れていました。

さ夜」の「」は「神聖な」を意味します。

また、この世のものでないモノの化が跋扈する世界で

もあります。

日落ちて寝、日出でて起きる。

それが人間の活動でありました。

夜が更けて、人が外に出て活動することは禁忌

されていました。

そして、夜は魂を安定させるため、

男女が共に過ごすこととあいなるのであります。

現代の不夜城は、神の領域を侵し、

神は夜の世界から去っていきました。

夜は欲望渦巻く歓楽の世界へと、変わって行った

のであります。

 

解字は三冊の辞書とも異なりますが、共通してい

るのか「」であります。

第一の辞書

<「」は、「」に「亦=わきの下の意味」で、

 月がわきの下よりも低く落ちたよるの意味。>

第二の辞書

<「」は、「大=人が両手を広げた形の正面の

   図形」に「夕=ゆうがたの月の形」で、人の脇の

  下から月が現れる形で、月が姿を現すような時間

   帯。>

確かに、子供の頃夕方まで遊んで家に帰ろうと空を

見上げると、月がうっすらと見え始めていましたね。

第三の辞書

<「」は、「」に「亦=脇の原字」で、昼を(日の

   出る時)を中心にはさんで、その両脇にある時間、

   つまり夜のことを意味する。

始まりは夜。そして終わりも夜。

暗きところから生まれ出て、日の目を見て、暗い冥府

の世界へと旅立つ。

人生は夜という闇包まれれています。「夜隠る」で

すね。

 

【成句】

夜が明けてから巣を作ろう。

仏教説話。梟さんの話です。

夜が明けてから巣を作ろうと延ばしました。

 朝が来たら、今度は目が見えないから作れない

   と。

怠けものの梟でありますね。

怠けるには何とも理由がつく。

ただ、それで困るのは自分なんですよ。

それも、社会に出てからわかるんですね。馬鹿

ですね。

 

夜爪とるとも出爪取るな

夜爪は「世を詰める」として不吉。

親の死に目に会えないとも言いますね。

出爪は「金銭が出る。恥をかく」として不吉。

出がけに詰めを切るなとは、このことでしたか。

不吉の度合いは夜爪出爪

 

夜の錦

せっかくの価値が認められず、効果を発揮できな

いたとえ。

 

ミネルヴァの梟は迫りくる黄昏に飛び立つ

ヘーゲルの言葉ですね。

人や時代の陰り、行き詰り。

こんな時ほど知識の力が必要になる。

フランシス・ベーコンも言っています、

知は力なり」と。

 

夜と霧』。

戦後間もなくに出版された本で、著者はオーストリ

アの精神科医で心理学者のヴィクトル・フランクル

家族ともにナチスドイツ強制収容所に収容され

ます。

父母と妻はその中で死んでしまいます。

アウシュビッツの体験を書き、皮肉にも彼の実存分

析の理論を実体験することとなります。

アメリカでの調査では「私の人生に最も影響を受け

た本」のベストテンに入りました。

享年92歳。

原題の直訳では

それでも人生に然りと言う ある心理学者の強制収

容所を体験する

となるそうで、『夜と霧』は、日本で付けられた題。

夜と霧にまぎれて人が連れ去られ消された歴史的

暗部を比喩」としてつけたと。


今日一日 幸運でありますように!

 

                    誤字脱字ご容赦ください。

2018.4掲載再考