ことばの物語 <寒ーさむい・カン>
今日からは『千文字』の第五句「寒來暑往」の『寒』です。
『寒山拾得』ーカンザンジットク
漢和辞典によると、
<唐の憲宗時代の高僧、寒山と拾得。
拾得は寒山の弟子。
共に独特の詩を作り、寒山寺に住んだという。>
別の漢和辞典には、
<唐代の僧、寒山と拾得。
共に天台山国清寺の禅師(豊干)の弟子。
文殊、普賢の生まれ変わりといわれる。>
寒山拾得。森鷗外の短編『寒山拾得』で知りました。
寒山は正体が明らかでないと言われますが、
宋高僧伝、景徳鎮伝灯録にも名が出てきます。
高僧伝は最近岩波文庫から新しく出ています。
例により買い求めましたが、買っただけになっています。
この寒山は、さらに道教の中にも出没しています。
伝説の乞食風体の風狂の僧。
禅画で見かけるおかっぱ頭の笑顔の二人。
拾得は寺の厨房で働いていて、寒山に残り物を
与えていたという。
師弟関係と言うよりも友人関係にあったと思うんですが。
寒山は、寺の付近に寝泊まりしていた乞食僧では。
岩波の中國詩人選『寒山』があります。
第一の辞書
<「寒」は、「宀」に「芔=草のしとね」に「人」に「氷の象形」で、
寒さに凍えてしとねに身を丸くする人のさま>
第二の辞書
<「寒」は「塞の字の上部」に「冫=氷」で、屋根の下にレンガや
石を積み、手で穴をふさいで、氷の冷たさを防ぐさま。>
なんか変ですね。冷たい思いして手で塞がなくとも思うんですか。
第三の辞書
<「宀」に「芔=草のしとね」と「人」と「氷の象形」で、屋根の中に
草を敷き詰め、そこに人が居て下に氷がある。
寒さを避けて草を敷き詰めた形でさむいという。
塞の上の部分と同じ形になっているが、塞は呪具の工を重ねて
悪霊などを閉める形で、寒とはもとの字形が異なる。>
第二の辞書と第三の辞書。どうも喧嘩しそうですね。
寒郷
寒い土地。さびれた土地。
寒苦
寒さが厳しい。はなはだしい。
甚だしい貧乏。
寒径
さびしい小道。
寒光
寒々とした風光。
月の光。
寒食
冷たい食物。
冬至から百五日の前後3日間にする行事の名。
これは、春秋時代、晋の文公が介子推の山中で焼死を憐れみ
その日に火を禁じた冷食を用いさせたことに始まる。
寒心
肝を冷やす。ぞっとする。
寒戦
身震いする。
寒蝉
ひぐらし。
寒虫
こうろぎ
【成句】
寒九の雨
寒の入りから九日に降る雨で、豊作の前兆とされる。
寒者は短褐を利とする
褐は織目の粗い粗末な着物。
本当に困っている者は贅沢を言わない。
寒い時に汚いものなし
どんな不潔で汚れた物でも身に付ける。
寒中の雨は親の乳房
空気が乾燥している寒の時季の雨は
万物に生気を与えることを言う。
寒は何事においても、厳しい状況で、
甚だしく貧しいものでありますね。
大地のふところが寒いのであります。
今日一日 幸運でありますように!
誤字脱字ご容赦ください。
2014.9掲載再考
