ことばの物語
<止ーとどまる・とめる・シ>
<止>は、動いているものがとどまる。
<留>は、とまって動かない。
<泊>は、船がとまる。また、宿泊する。
港のことを「波止場」ともいいます。
字面がいいですね。
波が止まる場所。波を止める場所。
この言葉は、九州の方言が元らしいです。
映画『波止場』。まだ白黒映画の時代。
マーロン・ブランド主演の名作であります。
<ボクサー崩れの沖仲仕テリーは、波止場を牛耳る
ボスと対立します。そんな中、テリーの兄はボス
の命令で、テリーの愛する女の兄を殺します。
そして、この兄が殺されます。
テリーの怒りは頂点に達し、ボスの本拠地に一
人で乗り込みます。
半殺しのめに合いながら、沖仲仕たちの正義を
目覚めさせ一人一人と賛同者が増えていきます>
この半殺しに合う場面が、臨場感があり素晴らしかっ
たですね。
♪古い錨が捨てられて
ホラ雨に泣いてる波止場だよ
年はとっても盲目(めくら)でも
むかし鳴らしたマドロスさんにゃ
海は海は
海は恋しい
ねえお父っつぁん♪
美空ひばりの「波止場だよお父つぁん」。
「年はとっても」まではいいんですが、なぜ盲目と続
くんでしょうか?
第一の辞書
<「止」は、たちどまるあしの象形。>
止戈(シカ)
ほこをとどめる。戦争を止めること。
止戈を武となす
「止」と「戈=ほこ」を合わせると「武」になる。
すなわち、武とは戦争をやめることである。
なるほど、武器を以て戦争をとめる。防衛です。
ただ、攻撃は最大の防御とならないように。
また、政治の手段とならないように。
あれば使う。用心、用心ですよ。
止観(シカン)
多くの雑念を払い捨てて宇宙の真理を悟ること。
「止」は、雑念をとりまとめて起こらないようにする
こと。
「観」は、真理を悟ること。
天台智顗の講義録『摩訶止観』という禅定の本が
あります。
これは、三蔵の経、律、論の論蔵の一つです。
止水に鑑みる
流れない静かな水に姿を映す。
心を静虚にすれば真理を悟ることが出来る。(荘子)
止足(シソク)
自分の分に安んじ止まって満足すること。
止揚(シヨウ)
哲学用語。二つの矛盾対立する概念を一段高い段
階に統一発展させること。
ヘーゲルの弁証法あある言葉で、
テーゼ(命題・正)→アンチテーゼ(反命題・反)
→ジンテーゼ(統合・合)→アウフヘーベン(止揚)
止まることを知る
至善(最高の善、または境地)にとどまっているべきこ
とを知る。
自分の分に安んじ止まっているべきことを自覚する。
止まるを知れば殆(アヤブ)からず (老子)
上を向いたらきりがない
下を向いたら後がない
どっちを向いても何にも出ない
懐かしき渥美清の『泣いてたまるか』
何も出ないとわかれば、「腹を据えてうろうろするな」
なんですね。
追いつき追い越し、負けたものはダメな奴と考える
あなたはだめな奴と、高みに立つこと。
こんな人は挫折すると地獄落ち。
あなたが決めたダメな奴になってしまいますよ。
そして、人を怨み、世を怨み・・・
あとは化けて出るんですかね?
今日一日 幸運でありますように!
誤字脱字ご容赦ください。
